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株式会社はてなを退職します。iOSじゃなくてブロックチェーンやります。

株式会社はてなを退職します。 8/10(金)が最終出社日でした。8/31(金)が退職日になります。 はてなでは主にiOSエンジニアとして2015年11月から2年10ヶ月働きました。

これからはブロックチェーンに注力します。次の会社は決まっています。

現在は東京に居ます。8月末までの間は時間があるので、もしよければランチのお誘いなどいただけると嬉しいです!

あとオススメの英語勉強方法を募集しています。

iOSDC 2018 登壇 のお知らせ

はてなでの最後の役目はiOSDC Japan 2018 (iOS開発者のカンファレンス)での登壇です!なので、ぜひ聞きに来てください〜!!

developer.hatenastaff.com

スマホアプリエンジニアだから知ってほしいブロックチェーンと分散型アプリケーション」と題して、2018/08/31 13:30〜 Track Cにて30分お話しさせていただく予定です。

数年以内に、皆さんのうちの何割かは、WebやクラウドAPIを叩くのではなく、ブロックチェーンを叩くアプリケーションを開発するようになるでしょう。そして皆さんのうちほぼ全員が、そのようなアプリケーションを利用するようになるでしょう。

分散型アプリケーションクライアントとしてのiOSアプリの未来を、実際にブロックチェーンサイドとクライアントサイドでプログラムを見ながらご紹介します。

はてなのおもいで

はてなでは主にiOSエンジニアとして働きました。素晴らしい環境・事業・仲間がそろった会社だと思っています。友達にも、はてな合ってるな、絶対やめないだろ、と言われたりしていました。自他ともに認める入社してよかった会社です。

ブロックチェーンに挑戦してみたくなってしまってこのような運びとなりましたが、自信を持っておすすめできる会社なので、よかったらぜひ、採用情報 - 株式会社はてなを覗いてみてください!

思い出ダイジェスト

  • 学生時代以来の京都へ
  • 20時ぐらいに振り返ると人が少なくてビビった
  • 入社2営業日目で、飲んでいたら終電を逃し、本部長宅に泊めていただく
  • 開発合宿に猫のきぐるみをかぶって参加
    • 写真が社内Slackに絵文字として登録された
  • 上場を経験する
  • WWDC2016に参加
  • iOSはてなブックマーク「まわりの話題」実装に関わる(現在は提供終了)
  • Perlを書いてサーバーサイドも開発した
  • iOSエンジニア・サーバーサイドエンジニアの集大成として新規プロジェクトに取り組めた
  • クリエイティブを支える世界とその世界の人々の情熱に触れることができた
  • はてなのWebコミュニティ運営の姿勢を学ぶことができた

思い出つらつら

学生時代以来の京都へ

前職では東京勤務でしたが、はてなスマートフォンアプリケーションエンジニアはほとんど京都にいます。せっかく肩を並べて働ける機会なのだからと、喜んで京都勤務にしました。

入社2営業日目で、飲んでいたら終電を逃し、本部長宅に泊めていただく

大阪に親戚の家があったので、最初はそこに住んでいましたが、入社していきなり終電を逃して本部長宅に転がり込むという失態を犯したので、反省してすぐ京都市内に引っ越しました。東京と比べて家賃が安かったので、つい無駄に広い家に住んで、クイーンサイズのベッドで一人で寝るなどしていました。

余談ですが京都の街は、人が多すぎず、道が広くて、電車も混まない。ちょっと歩けば心地よい河原があって、四季折々楽しめるスポットがある。はてな京都オフィス付近は人気学区なので、会社徒歩圏内で広い家に住んで良い環境で子育てしたい人におすすめです。ただし観光シーズンの混雑に巻き込まれるとヤバイ。地元に拠点があることを活かして観光客に勝ちに行くか、家でおとなしくしているのが良いと思います。

京都にいる間にちょうど同世代の結婚ラッシュが到来、大学が京都だったので関西で式を挙げる人が多く、この時期に京都にいてよかったです。結婚式3次会後に終電をなくした人々が我が家になだれ込んできて夜を明かすというイベントも発生して、学生時代を思い出して楽しかったです。広い家に住んで良かった。学生時代近くに住んでいて仲良しだったグループのカップルが結婚して、その証人になるという実績も解除、なんだか幸せな気持ちになりました。

美味しい日本酒にも巡り会えました。蒼空神蔵がおすすめです。

上場を経験する

入社翌年には上場し、実家から電車で広告を見た、と電話がかかってきたときはなんだか嬉しかったです。電話?LINEだったかもしれない。まぁいいや。入社当時は家族に「株式会社“はてな”に行く」と話すと、祖母から「あんた自分が行く会社の名前も分からないのかい」と言われていたので、大きな進歩を感じました。

WWDC2016に参加

人生初のWWDCに参加させていただいて聖地巡礼が叶いました。ちょうどApp Transport Securityの必須化が発表された年で、現地から書いた記事が多くの方々のお役に立ったようで良かったです。結局ATS必須化は延期されましたが。

京都に行っても東京の勉強会にも出張でよく参加させてもらいました。実家が関東なので、一度東京に来たらしばらく滞在していろいろなところに顔を出していて、東京のiOSエンジニアの皆さんにはそんなに「niwatako居なくなったな」感が無かったと思います。

iOSはてなブックマーク「まわりの話題」実装に関わる(現在は提供終了)

GoogleとかTwitterのようなサービスに憧れていて、インターネットで情報を発信したり、いろんな事を知ることができて、地球の裏側の人の日常がリアルタイムに覗けるとか、そういうことが世界を変える、もうちょっと控えめに言っても、人々の世界観を広げることが出来ると思っていて、次は、そういうことに挑戦したいと思っています。

こう言って(株式会社アスタリスクを退職します | niwatako$ より)はてなに入ったのですが、「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする というはてなのミッションはまさにやりたいテーマでした。

社会学部の人間として、まわりの話題機能はとてもおもしろい試みだったと思っています(“弱い紐帯の強さ”の実践)。こうした取り組みに1エンジニアとして関われてとても良かったです。提供終了してしまいましたが...。

Perlを書いてサーバーサイドも開発した

iOSだけでなく、PerlでのWebアプリケーション開発にも挑戦させていただき、小説や漫画を届けたり投稿したりするプラットフォームにも関わることができました。

BtoCのWebサービス運営に長い歴史があり、たくさんのノウハウがあるだろうと思っていたはてなで、実際にWebサービスでユーザーコミュニケーション機能を開発することに携わり、企画やデザインの考え方に触れることができたのはとても良かったです。やはりここには知見があった、と感じました。この手で作ったConsumer Generated Mediaサービスの仕組みが動いて実際に人々がやり取りするのを実感できたときは感無量でした。

iOSエンジニア・サーバーサイドエンジニアの集大成として新規プロジェクトに取り組めた

iOS、Web、API開発を経験したところで、新規アプリ開発プロジェクトの初期メンバーとなり、クライアントアプリからAPIまで設計に携わり、あとからJoinしたメンバーと共に完成まで作り上げていくという理想的な経験の広げ方・ステップアップをさせてもらえた気がします。入社してプロジェクトにJoinしてくれた id:nakiwo さん、 id:yutailang0119 さん、おかげさまで無事リリースすることが出来ました。ありがとうございます。入社していただけてとても嬉しかったです。最後に素晴らしいチームで仕事をさせていただけたなと思っています。ちょうど id:yutailang0119 が入社半年を振り返った記事を書かれているので良かったらこちらもご覧になってください。

yutailang0119.hatenablog.com

クリエイティブを支える世界とその世界の人々の情熱に触れることができた

また、小説、漫画サービスの開発ということで、出版社の方々の近くでお仕事をさせていただき、作品が出来上がる裏方でこんなにクリエイティブを支えるためにいろいろなことを考え、新しい作家が育つ土壌を守ろうとしている人達がいるのか、と恐れ入りました。商業娯楽に対して厳し目・否定的な家庭で育ったのですが、携わる中で尊敬の気持ちが大きくなっていきました。

自分はエンジニアとして、何を作るかやそのサービスの意義が重要だと思っています。漫画村がイケイケだった頃、チームのみんなで「漫画村を滅ぼすぞ!」なんて言いながら最高の漫画ビューワーを開発するべく取り組んでいて、社会正義のために技術力を発揮できるのはとても良いなと思いました。

はてなのWebコミュニティ運営の姿勢を学ぶことができた

はてなでは、あらゆる職種の人がインターネットを愛し、インターネットをより良くしようと考えていると感じています。はてなでは、自分の技術は良いことに使える・使われる、という確信を持てるのが、自分にとっては一番良いところだと思っています(もちろん、至っていない部分や、負の側面もあると思います。少なくとも、最初から悪どく、とにかく金を巻き上げるようなものを作らされたりはしない、という意味で)。

在職中にはDMCAの乱用とされる問題やキュレーションサイト問題などがありました。はてなに入ったことで、プラットフォームを運営する側に立って世の中を見たり、古からインターネットを良くする活動をされてきた方々にまで視野が広がり、今のインターネットの治安が最後は人の手で守られていることも目の当たりにしたように思っています。私も高校生の時に下らないブログを作って必死でSEOかけていた時代があります。申し訳ございません。インターネットを動かす仕組みの根幹には人々の善意がきちんと宿っていて、その意志こそがシステムを動かしているのだな、と実感しました。

これから挑むブロックチェーンのスマートコントラクトは、基本的には管理者的な人間が介在せずに自律的に機能するエコシステムを設計していく世界ですが、いまの世の中が一体どれほど人間の手によって善良さを保っているかを思い知ることができたのは、後で振り返った時にとても重要な経験になっているだろう、と予感しています。

思い返せばはてなに入社したときはSwiftが書けませんでした。Perlもやったし、設計や型システムの使いこなし、プラットフォームの知識やライブラリの使い方も学ばせていただき、エンジニアとしてとても成長できたと思っています。ユーザー向けサービスの運営についても様々なことを学ばせていただきました。3年弱という短い期間になってしまいましたが、はてなで働くことが出来て本当に良かったと思っています。ありがとございました。

株式会社はてなではスマートフォンアプリエンジニアを募集しています!

採用情報 - 株式会社はてな

iOSエンジニアとして働くにはとても快適で素晴らしい環境でした!

美味しくてバランスの良いランチが毎日出てきて、おやつがぱくぱくできて、自動販売機はボタンを押すだけで飲み物が出てきて、親に胸を張って見せられるプロダクト(だと自分は思っている)の開発に携わることができます。

日々の都合(宅急便が来るので家にいたい、警報が出た、役所に行く、早く上がって遠方の勉強会に行きたい、子供が熱を出した...etc)による勤務時間の調整から、人生レベルのワークライフバランスまで、非常に柔軟に働ける環境だと思っています。

design.hatenastaff.com

そして最高の仲間がいます。古のiOS(iPhone OS)時代から名をとどろかせてきた伝説級のエンジニアたちがいて、Swiftコミッターと肩を並べて働けるのは日本国内で株式会社はてなだけ!!

みなさんもぜひ一度入社してみてください!

最近入社した id:yutailang0119入社半年レポートはこちら(再掲)。

ご興味ある方はまずはお気軽にランチにいらしてください。東京オフィス(表参道)に来ていただければ、京都のメンバーとも、テレビ会議で一緒にランチできます!

↑東西ランチの様子↑

セカンドレイヤー、クロスチェーンが拓く新しい暗号通貨エコシステム #HashHub2018 08

hhc2018.peatix.com

参加した聞き起こしレポートです。

セカンドレイヤー、クロスチェーンが拓く新しい暗号通貨エコシステム

日本デジタルマネー協会 理事 大石哲之

個別の技術というより少し大きく未来に視点を向けたいと思います。

5年、10年どういうところを見て行けばいいか

Invisible Economy & Layered Blockchain

暗号通貨を何に使うんだと、みなさん言われると思う。僕らが今見えてない部分に暗号通貨はもっと使えるのではないか。

今日、皆さんは9000円はらってここへ来て、僕の話を一方的に聞いているわけですが、Twitterではどんな有名人にもただでコンタクトしてクソリプを送れる。ある意味、クソリプのほうがコストパフォーマンスが高いわけですね、クソリプには価値があるのではないか?

Facebookになにか話を書くといいねがついたりします。感謝の気持ちなどをやり取りする。これって何か価値が発生しているのではないか。経済に入っているか入っていないか。

いままでこういうのはただの気持ちのやり取りと考えられていたが、これがいわゆるひとつの目に見えない価値がやり取りされていると見ることも出来るのではないか

アップルの規約です。

Appleが収集するクラウドソース位置情報データは個人を特定しない形式で収集されます。
デバイスの位置情報サービスを有孔することによって、...

いわゆるビックデータ。みなさんが持っているアイフォンがソースとなってデータを提供している。自分はデバイスをもって動いて、価値を生んでいるのではないか。なのにデータはAppleだけが持っている。

ココには見えない経済がある。

  • クソリプ経済
  • 気持ち経済
  • データ提供する経済

...これらに見えざる経済と名前をつけています。

いまお金にならないけれども、すでになにか価値があるやり取り、データでも気持ちでもやり取りが、実はお金でやり取りされているよりも多く存在しているのではないか。

評価経済トークンエコノミーと言われて、なんとなく、どうもお金じゃないところで価値が生まれていて、そういうのを、むしろお金のやり取りよりも多く人々と交換しあっているのではないか、というのを体験したことがあるのではないかと思います。

問題は法定通貨とその取引システムが、そういう価値をやり取りするのに非常に向いていない。中央集権でコストがかかる、即時性がないしグローバルで使えない。こうしたエコノミーを媒介できるものになっていない。

もし仮に世界中の人々が暗号通貨を使うようになったとしたら、パンやコーヒーを買うよりも、今まで見えなかった経済、法定通貨だったからやり取りできなかったことを、暗号通貨によってやり取りすることが出来るようになるんじゃないか。

トークンエコノミーやVALUもできている。今まで価値としてやり取りできなかったところを見える化することが起きる可能性があると持っている。

その候補。

99年ぐらいのインターネットのときに、今のスマホとか想像できなかったと思います。

おそらく今想像するものと全く違うものがやり取りされていると思います。

  • プライバシーのある取引のためにコストがかかる
  • アイデンティティや思い出の証明
  • レピュテーションの視覚化
  • ビッグデータを購入する
  • データ提供する
  • 受発信する情報の範囲をコントロールする
  • コンピューターリソースをシェアする
  • AIとインターフェースを取るため
  • トークンを発行するため
  • いいねや好意を示す、応援するため

いままでお金を払ったりやり取りすることができなかった領域で、今まで経済として認められていなかったところに経済圏が出来るというお話です。

これを行うためにどんなテクノロジーが必要か。

前提として、インターネットは情報をグローバル化して垣根をなくしました。

SNS、シェアリングエコノミーによってリソースなどがシェアできるようになってきた。AI、IoTが出てきた。それを媒介する普遍的な価値は、どこかの国が発行したものよりも、中立分散検閲無く使えるものがいい、ナカモトサトシによりそれは発明済みである。

そしてヴィタリック・ブテリンの発明で、スマートコントラクトで複雑な処理ができるようになってきた

これから必要なのは、非常に小さいトランザクションを速いスピードで交換するマイクロペイメントの技術、Ethereumのスケーリング(スマートコントラクトのスケーリング)、クロスチェーン。

今の所ブロックチェーンは相互運用ができない。個別のチェーンに閉じこもっている。これが上手く連携して別のことが出来るようになるということが必ず必要。

そのためにいま、非常に重要な技術が発展しているという話。

バブルの崩壊の後技術が崩壊するというのは歴史的な話で、インターネット・バブルが終わった後にGoogleFacebookができて今につながっているが、仮想通貨の盛り下がりの後、一番盛り上がっているのはLayeringの技術です。

色んな人がいろいろ言っているので正解はない。いままでブロックチェーンの層でやろうとしていた。ここに別の層が重なっていく。Lightningなど。

インターネットも階層的なアーキテクチャでできている。ブロックチェーンはチェーンだけあって、しかもいろいろあって相互に運用できない状態。これをもっと層を増やして、相互にやり取りできるようになることが必要です。

基本のレベルの部分がもっと進化することでより大きなことが出来る。新しいエコノミーを支えることが出来るというふうに思っています。

これがいま、世界中の開発者によってベースレイヤーが作られているということです。

Layer2と言われているところで、ペイメントチャンネルが動くようになる。

ブロックチェーン同士をつなげるPolca, Interchain, Cosmosなど。

サービスレイヤーではOracleといわれる、価格の情報や、スポーツの勝敗などを外から持ってくるといった話とか、そういうレイヤーがあります。

これらが全て有機的につながってこそ新しいシステムが機能する。

10年先の経済を見たときに暗号通貨がどう使われるか、どういうチャンスがあるか、どういうものを開発していて、どういう技術のベースを作るかが大事。

どれが重要か想像して、行動する、開発をする、プロトコルを作る、コミュニティに参加する、どういうコインを買うか、ということに役立てていただければと思います。

なぜこういうレイヤーアーキテクチャが重要か、ちょうど記事があったので見てきた。。村井純さんと伊藤穰一さんがブロックチェーンンを使い捨てのバズワードにしてはならないと呼びかける、という記事がありまして、そのなかでレイヤー構造が重要だという話をしています。

crypto.watch.impress.co.jp

インターネットも昔、一社がプロトコルを全部提供していたが、これからはレイヤリングして機能が分割されるだろうと思っている。プロトコルのレイヤを分離してそれぞれ独立に進化できるようにしたことが重要。

ブロックチェーンをどうやってレイヤー分けして、それぞれ独自に進化できるようにするかが今後の課題。

それぞれのところが上手く連携し合いつつ、競争し合いつつ、進化をとげることで、システムが良くなっていくんじゃないかと思います。

きょうは、レイヤリングの話が多いと聞いていましたがあまりなかった。

ここ1年2年ぐらい、Layer2は必ずキーワードになると思います。今までのお金、法定通貨でしかできなかったエコノミーを作ることで暗号通貨が成長することができれば、面白いものが現れるのではないかと思う。

ピンときた人はこの業界にもっと入って、開発したりコミュニティに参加したりすると楽しいんじゃないかなと思います。

暗号通貨、ブロックチェーンの限界とその先 #HashHub2018 07

暗号通貨、ブロックチェーンの限界とその先

(休憩から戻るのが遅れ冒頭聞けず)

斉藤

スケーラビリティ、技術のガバナンス(進化させるときにみんなで同時に変えないといけない) ビットコインの市場価値に依存している

価格が安定していないことが欠点とおっしゃっていたが法定通貨を置き換える、と言う人も居ますが、どのような意見を持っていますか

岩村

多分会場で最高齢でございます。

マクロ経済・世の中をどう変えるか

ビットコインとかに関心を持ち始めたのは2013年暮れあたりからマスコミの方がどう思いますかと効かれるようになって、いやいや調べ始めて、最初に来た記者に出来が悪いと言ってしまった。

出来が悪いというのは2つの意味です。

ひとつは価格が安定しない。ビットコインの価値の背景はマイニングや電気消費に依存する。

それでトランザクションを動かしているのは無駄。

値段がつくとそれに相応の電気代が必要になってしまう。ずれた価格が付くからバグ。あらゆる価格が合理的なので価格が安定しない。そして無駄。

中央銀行通貨に替われるかというと無理だろう。ほかでできるかと言うと作り方次第。法定通貨に代わろうと思って作られたというより、面白いから作られたと思っている。

斉藤

野心的な取り組みだと思ってみているが、実験的になってしまう。

さっき言ったブロックチェーンの課題にEthereumは取り組んでいる。取り組んでいるが、新しい方法でやっている。これは実験だと思ったほうがいい。

本人たちも実験と言っているが、大きなお金が乗ってしまっているのが不幸かと思う。

Casperはある程度ファイナリティを設けることで時間制を入れている。1時間ぐらいでファイナライズされると思うが、そのときにネットワークが分断されていない前提だと思う。ネットワークが分断されていたらファイナライズが別々のところで起きる。統合されたときにどっちが正しいのかということが起きうると思う。

Ethereumであれば価格の安定性はEthereum自体にはそこまで重要ではないと思っている。

岩村

法定通貨に替われるか、というのが6/20に書いた本で、異次元緩和批判を書いた本だが、仮想通貨についてちょっと書いてる。

金融政策に未来はあるか (岩波新書)

金融政策に未来はあるか (岩波新書)

ネットワーク分断はこの手のネットワークなら必ず起きる。ビットコインキャッシュも。しかし、ビットコインならそんなに深刻に考えなくていい、ただのお金だから。

ところが、Ethereumはお金以外のものを乗せてしまっている。矛盾した歴史が2つ存在すると困る。記録を重視すると分断は困る。

価値だと思えば、分岐するリスクを確率として織り込める。私達も普通のお金の中にも偽札が入っていても普通に使うでしょう。私なんかは自販機とかSUICAで返されたお金は出来るだけ早く他のところで使うようにしている(会場笑)。

お金なんて本質的には分断しても関係ない。Ethereumは他のものを乗せていて、そのことをそこまで、重要に考えていない。

斉藤 ブロックチェーンを破壊するためにはネイティブトークン総額を払うと出来る。マイニングするタイプのチェーンはマイニングコストとトークン総額が均衡する。額面がEthereumの総額を超えたとき、マイニングコストより大きな借金をしている状態になり、マイニング以上のコストを(攻撃のために)払うことが合理的なので、51%攻撃をするのが合理的になってしまう。

岩村

斉藤先生とは一緒に論文書くので、二人で勝手にわかり合ってる部分があるので、他の人にわからないかもしれない。

Ethereum上で1000万借金したとき、それを取り消そうという攻撃をすることが合理的になってしまわないか、ということを考えているかという話。昔出した署名を無効にしたいというとき、前提を壊す。

ここにいる方ご存知だと思いますが秘密鍵と公開鍵がある。秘密鍵は隠す。財産を保持したいから隠す。ところが、債務超過になってしまうと秘密鍵を隠す必要はなくなる。秘密鍵はこれですよと、ネット上の掲示板なんかに書ける。

そうすると、債務負担が本当にその人が借金した、正しい負担なのかそうでないのかわからない。そうすると困る。

困らない方法があって、斎藤さんがやっているやつのコンセプトに入っている。

パブリックチェーンの課題を話してもらったが、プライベートならマイニングコストを掛けないとか、ステーブルコインを発行したり出来る。

斉藤

(プライベートは)意味がないと思っている。ブロックチェーンである必要がない。

コンセンサスみたいな印象が強いが、設計する立場からするとコンセンサス(のアルゴリズムビットコインの実装に含まれているの)は事故みたいなもので、設計上無いと正しく作れないから仕方なく入っているみたいなものだと思う。

誰にも送金を止させたくない。システムが止められないようにする。各ノードが自律的に動作する、というようにしたい。そういう動作をさせると矛盾するトランザクションが投入されると困るので、ナカモトコンセンサスがある。

プライベートチェーンなら、すでにノードは管理下にあるので、自律的に動作させる必要がない。ノードが動作しないとすればそれは障害で、従来からの障害対応を行う、対策を行うだけ。

岩村

あまりそういうことは、いくらなんでもブロックチェーンの人が可愛そうすぎるので、プライベートの肩を持つと、私達は順序とかを、当然わかっていると思っている。オンラインシステムは順序がある前提で設計されている。東さんから100万円もらって、そしたらすぐに斎藤さんに渡したいと思っている。

センターがあると順序の管理が出来るが、広がったネットワークで考えれば同時という議論をしてもしょうがないので、目的に合わせた時間ぐらいは、ひとかたまりだと捉えたほうが合理的といえる。

センターにメッセージが到着した順序で順序を決めるが、分散処理でそんな事はできないのだから、ブロックを作ることには合理性がある。チェーンがいいかは微妙。チェーンはブロックとブロックの順序性を意識している。

ブロックタイムは)Ethereumは契約を維持しようというので1時間なのでしょうけど、通貨として考えるとFinalityに1時間は困りますね。夏の鯖寿司だと本当に大変(会場笑)。1秒ならいいですかというと、1秒でもまずいものもある。1秒は大変長い時間です。仮想通貨で駅の改札を通ろうとするとき、1秒改札が開かなければ大変なことになりますから。

Ethereumが面白いのは、目的をはっきりしないで、あまり意識しないでやっている。一生懸命考えているが、世界は見渡せていない、チャイルディッシュ(?)だと思うところですね。

Lightningネットワークとかで外側で早くしちゃおうというのもいいのだけど、どこかに引き受ける主体が必要になってその信用どうするかという問題になる。ペイメントシステムの安定性と同じ問題になる。

斉藤

ペイメントチャンネルまではわかる。Lightning Networkになると、Rootingするので故障点が増える。安価な夢のようなペイメントネットワークは無いんじゃないかと思う。

ここまでパブリックプライベート両方指摘されていたと思いますが、ブロックチェーンの先の話し、どのように課題は解決可能か

一つのアイディアとしては履歴交差、古文書モデル。

サトシ・ナカモトもブロックチェーンに相当するのは新聞モデル。みんなが見てるから改ざんできない。新聞を改ざんできなくするためにPoWしている。

コストと関係ないものでどうやって改ざんすることが難しく出来るか。

古文書モデルというのは、ある古文書が、より新しい古文書から参照されるからあったかもしれない、ほかからも参照されているとあったかもしれない、参照モデルで存在を証明していく。

IOTAのタングルは一つの空間の中でそういうことをするので攻撃しやすいと思っているが、攻撃を避けるためには、アプリケーションごとにプライベートなチェーンを持っているだろうから、それらを無関係なところと交差させる。

そうすると矛盾なく書き換えるには書き換えまくる必要があるので難しい。

DAGというと皆さんわかりやすいかもしれないが、DAGはただの有向非巡回グラフという意味で、ビットコインのチェーンもDAGと言えるので、(みなさんがDAGで想像するものだけを指すつもりで)DAGとは言わないほうがいいと思う。

岩村

私達は源氏物語があると思っていますね?「いずれの御時にか」で始まらない源氏物語は存在しないと思っている。

でもどこにも原本はないわけです。でも「いずれの御時にか」が源氏物語だと考えられているのは、それはそういうふうに転写されたものがたくさんあるから。

人間も、ミトコンドリアを調べていくと、全人類はアフリカのある女性にたどり着く、だれもその助成が誰か知らないけど、そういうひとがいたに違いないということがわかる。

他の台帳なり要約値を集めてきて記録しあう、ブロックチェーンというよりブロックメッシュのようになると、全体を改ざんすることは難しくなる。これを斎藤さんがBeyondBlockchainと言っている。

コストを掛けることでナカモトコンセンサスしているが、お互い支え合うのは面白いと思う。しかしこのままだとブロックチェーンがボコボコですが、私は、コストを掛けても維持されている誰にも管理されないチェーンは新しいものになると思っています。お二人は、勝手に発行できる通貨と違ってコストを掛けて発行される通貨に価値はあると考えますか

斉藤

アンカリングする先にパブリックブロックチェーンを利用する。

モナコインやビットコインゴールドがセルフィッシュマイニングによる攻撃をやられたのは、ハッシュレートが波打っているから。

ビットコインのハッシュレートは指数関数的に上がっている。ということは限界がある。だからビットコインはここ数年かなという感覚はあります。

岩村

一つのものは持続しなくても、“そのような現象”は繰り返すと思う。全体としては何かはサポートできる。普遍の価値や全体の安全は無い。すべてのものは一定の可能性の中で育ったり消えたりしている。

ビットコインが本当に安定的に作られていたら、だれもビットコインに注目しなかっただろう。

パブリックチェーンと言うかは別として、ある程度は自分が持っている情報を開示して、パブリックでアクセスできる状態には持っていって、一定時間ごとにハッシュを開示する、お互いに引用しあう、そいう言ったものはできてくるだろうなと思う。

1974年に日銀に入って97年末まで居たが、法定通貨の体系を作る人達の頭の中に、景気対策に貢献しようとか、選挙対策に貢献しようとすると、コストが懸かっても、やろうということが大事になる。

それで、いまも金やビットコインに価値を見出す人はいる。でも金もビットコインもどうでもいいもの。ところがどうでもいいものに価値が見出されているという意味で、ビットコインは究極の貨幣かもしれない(注: このあたりの言い回しを正しく記述できているか自信がありません)