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WWDC2016に行けなかったiOS開発者がキャッチアップの手始めに観てほしいセッション・ビデオ6選+α

こんにちは。生まれて初めて、WWDCに参加してきました!はてな開発者ブログに記事を書いていたので自分のブログにWWDC2016のネタを書くのはこれが初めてです。


今回のWWDCは当日のうちから沢山のセッションが公開されました。日本語字幕までつき始めているようですね!!(Safariじゃないとビデオを再生できないので注意)

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しかし、せっかくたくさん公開されても普通に日本で仕事をしているとこれらを見ることが出来る時間は限られています。

今日は土曜日。じっくりビデオを見られる貴重な週末、でも一体どのセッションから見たらいいものやら。

WWDCに行かなかったにも関わらず、勉強会で早くも良いネタを見つけてきて発表する彼らは一体どうやってそのネタを見つけているのか。

今年はじめてWWDCに現地で参加して、なるほどここを入り口にすれば深掘りしたいテーマを素早く見つけられそうだ、というWWDCの観方が分かったので共有したいと思います!

本当は土曜の朝投稿したかったのに、今は22時だ。寝坊して(どんだけ)申し訳ない。。。

これがWWDC2016マスターへの滑走路だ!!

サンフランシスコ行き飛行機に乗らなくても。飛び立て、新しい世界へ!

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Keynote

1つ目、まずは絶対これだ!(Safariで開かないとビデオ再生できないゾ!)

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Keynoteは当然皆さんご覧になったと思います。私も毎年徹夜で見ていました。でもKeynoteの後、現地でお昼休憩を挟んでから行われるPlatforms State of the Union は見ましたか?

「ぷらっとふぉーむすてーとおぶざゆにおん」って知ってますか

2つ目、これ、毎年見てました?

Keynoteの後にあるPlatforms State of the Union。正直に申し上げると私は見たことは無かったです。だってKeynoteを見終わったら眠いんだもの。そのあとのことなんて知る由もない...。

いつも見ている人には驚愕の事実でしょう。でも実は私みたいな人も多いのではないでしょうか...?という淡い期待(自分だけだったらどうしよう)。

今回現地でPlatforms State of the Unionを観て、今まで観なかったことを大変後悔することとなりました。「ここで目玉の新機能が紹介されている!どのセッションを見るべきかはこれを見て決めるべきだったのだ!!」と。

Platforms State of the Union こそが開発者向けの発表

Platforms State of the Unionでは、Xcode、各OS、Extension、フレームワーク、言語などについて開発者向けの情報を凝縮して伝えてくれます。Keynoteはメディア向けの発表という側面も強くて、開発者はこっちが本番なのではないかと感じました。例えばXcodeの新機能は今WWDCにおいてここで初めて発表されました。

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なるほど、いつも勉強会で周りを見渡せばみんな目玉機能を見つけてくるのが早いわけだ。みんな寝ないで全部のセッション見てる狂人たちか、仕事しないでセッションをみている人たちなのかと思っていました。でもこれをみたら2時間で開発者が抑えておくべきポイントをつかめたようです。

どうして誰も教えてくれなかったのか。

きっと常識過ぎたし、誰かが話したり書いたりしてくれていても、Platforms State of the Unionって何のことか気づかなかったに違いない。長い英語だし。読んでも意味がわからないもの。聞いたら意味がわからないどころか聞き取れないに違いない。

なにせ僕は、WWDCへの参加が決まって辞書片手にスケジュールを翻訳しながらじっくり読んでて初めてこの名前を知りましたからね。それまでは目からも耳からも認識できずにいたのだと思います。英語がわからないというのは恐ろしいことです。よく今まで開発者として生きてきたものだ。

Keynoteが世間一般で話題になりますが、開発者はそれに惑わされてKeynoteだけで満足せず、Platforms State of the Unionこそ、ぜひご覧ください!!

Platforms State of the Union についてのオススメ参考資料!(追記)

6/27(月)に株式会社Fablicさんで開催されたWWDC16情報共有会@huin さんが発表された次のスライドは、Platforms State of the Union のトピック毎の概要を画像付きで、関連セッションと一緒に紹介されていてとても分かりやすいです!

speakerdeck.com

離陸準備開始、新大陸の地図を観て航路を確認!

KeynoteとPlatforms State of the Unionを観て新大陸の数ぐらいは把握出来たところでしょう。しかしAppleが1年間温めた渾身の力作が、たった4時間で理解できるわけがありません(信者感)。

次は目的地を見定めるために、それぞれの大陸の地図を確認して離陸準備と航路の確認をすることにしましょう。もう少し細かいところまで、だけど全体的に知ることが出来るセッションを私の独断と偏見でセレクトしました。

次はこちらのセッション4つです!

総論・概論や、どんなアプリにもほぼ関わる重要なテーマだから目を通したほうが良いだろうな、というセッションを選びました。ちなみに、tvOSのセッションはすごく観てほしそう(人気のセッションよりtvOSのセッションの方が大部屋)だったので、観てアプリを作るとAppleがとっても喜ぶと思います!☆(ゝω・)v

3,4つ目のSecurityとNSURLSessionはちょっと難しいかも。でも本格的にサービスとしてアプリを提供している人には重要なセッションになります。この2つのキーワードを聞いてもあまり馴染みがないなぁとか、観ていて居眠りしかすることが無くなったという人は、次の自分のアプリに合わせて +α までスキップして、ピンとくるWhat's NEWを探して観たほうが良いかもしれないです。

NSURLSession: New Features and Best Practicesは補足を書いておきます。NSURLSessionがServer Side Pushに標準対応することが発表されました。Server Side Pushを利用するには、アプリ側はすることはなく、サーバー側で対応する必要があります。これは社内のサーバーサイドのエンジニアなどにATS(App Transport Security)の話と一緒に共有してあげると良いかもしれません。

ATS導入によってHTTPS化が推奨されますが、それによって暗号化が必要となる分サーバーは負荷は高まります。しかし一方でServre Side Pushでは、クライアントからのリクエスト数を減らしてサーバー負荷を低減することが可能です(その負荷の増減がビジネス上重要な意味を持つには、それなりの規模のサービスが前提になりますが)。そもそもServer Side Pushとはなんぞや、という方もセッションでは分かりやすい図を使って説明してくれているのでぜひご覧ください。

新しく提供されるネットワークメトリクス取得機能も大変強力そうです。DNSルックアップにかかった時間など、詳細なメトリクス取得することが出来るようになります。

自分のアプリに合わせて +α

他にも概要を紹介する導入的なセションがありますが、全員に関係あるかというとアプリによってまちまちになってきそうです。

だいたい導入的な位置づけのセッションは What's New in XXX という名前になっているので、それらの中から自分に関係ありそうなテーマがないかチェックしてみましょう!

今週末に観たい WWDC2016 Session What's New 一覧という記事があって、What's New系のセッションが一覧できるので探してみると良いです。

[http://qiita.com/tid/items/9b8075ac666668af3aeb:embed:cite]

例えば...

ほかにもエンタープライズや教育関係なら What's New in Apple Device ManagementBest Practices for Building Apps Used in Business and Education も注目です。

というわけで、これらの導入系のセッションを自分に合わせて選んで補強して下さい。

離陸!

ここまで来たら、気になるところをさらに深掘りしてみましょう!

...いや、ここまで来なくても、いつでも脱線して深掘りしちゃいましょう。

それぞれのセッションの中で専門のセッションが紹介されていたりするので(特定トピックを名前に冠するセッションや、Advanced XXX等)、自分に関わる・興味を持った内容のところで紹介されていたセッションがあれば観てみてください。また、サンプルコードやドキュメントもセッション中、あるいはセッションビデオのページでResourcesをクリックするとリンクで紹介されています。

セッションを文字に起こして公開している ASCIIwwdc では、分野ごとのセッションを一覧できるので、タイトルから気になるセッションを探すのに向いています(Appleのセッションビデオ一覧も分野ごとに整理されているが、サムネイル画像が大きくて一覧性が低い)。

Keynote、Platforms State of the Union、What's Newなどの導入系のセッションをきっかけに、詳しいセッションやドキュメント、サンプルコードなど追いたいテーマが見つかれば離陸成功です!

旅の友

Beta 版も含むAPIのリファレンスはこちら。API Reference - Apple Developer Documentation

APIレベルのDiffも公開されていてマニアックな変更を見つけたりすることが出来ます。

あと自分が追いたいテーマについて、デベロッパーフォーラムも要チェックで、まだバグっているとか、ドキュメントに書いていないけど実はこうやって使うとか、例年そんな情報がやり取りされていたりします。

ちゃっかりおしらせ

株式会社はてなでは "iOSアプリ開発実践コース" がある、はてなサマーインターン2016を開催します。

hatenacorp.jp

応募締め切りは2016年7月4日(月)です!応募してからWWDCのビデオを見ましょう!!