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各国のPoC開発ケーススタディ、傾向と分析 #beyondPoC 3

実際にブロックチェーンや仮想通貨を使ったサービスを提供するとなると、ユーザーに対してトークンやそれを保管するウォレットの使い方の説明、送金手数料などのブロックチェーンを使ったトークン特有の問題も発生します。このセッションでは、一般ユーザー向けにブロックチェーン/仮想通貨関連サービスを提供する企業のパネリストたちとともに、ユーザー体験の中のブロックチェーンの特有の問題と解決策について考えます。

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安: 実際にサービスを作っているお三方です。実際に作ってみてどういった課題があり、解決しているのか。そしてキヨスイさんはDappsゲームを利用している側として有名な方で、利用する側の視点からも。

宇佐美: Yenomと言う会社でBitcoinCashのウォレットを作っています。たくさんあったが専門家、Geek向けアプリを使ってて、難しそうというイメージが有っったのを、お母さんやおばあちゃんが使えるようにならないかな、AlypayやWeChatPayみたいにしようとしてウォレットを作った。

小川: Valueは個人がお金を調達できるサービス。VALUEを作る際に色々なサービスを参考にした。あまりにも分散化された世界が体験が悪すぎたので機能を削った。そうした知見とかをお話できればと思っている。

キヨスイ: 僕は完全にユーザー側でサービス出していないが、ALISアンバサダーと遊びコインのアドバイザーをやっています。ブロックチェーンを使ったアプリ、ゲームを70、80ぐらい触ってきたのでその知識を話せたらと思っています。

安:スライドを一枚お見せして認識を共有したい。UIUXが関わる部分、業界にな違っていろいろありまして

仮想通貨業界の中にブロックチェーンがあってDappsがあってウォレットがあって法規制があってユーザーが居る。

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いろいろな階層にUIUXにこだわらないといけない問題が潜んでいるとやっていながら感じている。それぞれのレイヤーにどうした問題がるか、どうやって解決できたかお三方にお伺いできればと思っています。

一番難しいところから。赤丸で囲った仮想通貨業界全体をみたときに業界外から見たときのイメージの悪さが弊害になっていて、業界全体のところからお伺いしたい。

1点目、業界のイメージの悪さはアプリケーションに影響してくると思うが、そのあたり対策をううっているのかどういうふうに進めているのか

宇佐美:僕はビットコインハマり始めたときに言った話で、ビットコイン面白いと友だちに言って、ウォレットダウンロードしてもらって、500円ぐらい、あげたくないけど贈ろうとしたら、わかりにくくて、また今度やるわ、また今度ねーという話になる。あげようとしているのにもらってもらえない、解決したかった。そこで、すぐあげれるアプリになっています。ダウンロードした瞬間QRコードが表示されて立ち上がるので受け取ってもらえる

小川:昔のインターネットもそうかなと思う。ヤフオクで偽物が送られてくるみたいな記憶がある。ビットコインも怪しいしダサい。そうした物を買えていくのはユーザーの質や幅を広げることだけかと思う。ユーザーが使ってくれるようなサービスを開発し続けることが大事かなと思っている。そうした方向性に向けていVALUEも進めている

安:ユーザーを誘うときに誘いにくいことがあると思うがどうしているか

キヨスイ:詐欺かと思われるので友達には進めない。Youtubeどかでキャッチして貰える人にだけ。AirDropとか専門用語は辞めませんか?無料配布とか、今まで使っていた言葉にしたら良いと思う。Youtubeでもそういう言葉を使うように気をつけている。

安:シンプルや分かりやすくといところは、時間が解決するのを待たないといけないかなと思います。

知識が必要な点、秘密鍵とか、専門的な言葉の多さとか、ユーザーが使うのを阻むようなところはどう問題として捉え解決しようとしているか。

宇佐美さんはシンプルにするところですかねおそらく

宇佐美:そんなに今すぐ解決する必要があるのかよくわからなくて、持っているひとは100万人ぐらい取引所を使ったことがある。でも自分のウォレットに出したことはない。VALUEで最初にビットコイン触ったのだが、何も知らない人に触ってもらうのは難しいかもしれない、でも持っている人はいるのだからそこから、各自が頑張るというのでも良いのではないかなと思う

小川:インターネットもよくわからない、物理ネットワークレイヤーとか分かって使っている人いないし、半導体とかの機能を確認して使っている人もいない。銀行や金融商品もそうで、株式のルールをおっていけば20年ぐらいかかる。でも普通に若い子に販売している。業界全体でこれなら安全に使えるというテンプレート、ルール作りが早く進めばと思います

キヨスイ:難しい、必要知識がおおいところ、めんどくさいですよね。ある程度、難しいほうが、個人的にはこういうところに呼ばれるし嬉しいかなと思うのですが、ユーザー数が問題なので、開発している方に頑張ってもらいたいと思っています。クリプ豚は漫画で解説したりTwitterに紐付いたアカウントができるようになっていたり、ああいうのがポチポチ出てくると簡単になるのかなと思います。

安:コンシューマー向けサービスを作ろうとしている方が気になるだろうことを聞こうと思うが、使うユーザーはどういった方でどう集めているのか

宇佐美:僕らのユーザーは大きく2つで、キヨスイさんみたいな詳しめで、進めたいなと思っている人、その人は専門のウォレットを持っていたりするが、新しく知り合った人や家族とかに進めるときに使われるユースケース。大きくは2極。ちょっと専門的な人と、新しい人

小川:初心者とめちゃくちゃ詳しい人。めちゃくちゃ詳しい人は勝手に詳しくなっていって勝手に広げてくれてめちゃくちゃ助かる。でもそれだけだと広がらないので、TickTockとかのレベルまでユースケースを落とし込んでいきたい。

キヨスイ:僕使っているアプリはゲームが多いですが、ブロックチェーン使ったゲームがたくさん出てきたのは2月や3月、ICOが流行りが終わり始めてそちらに乗り移るという流れだった。いまは12月ぐらいからただゲームが好きな人も増えているなと思うんですが、人気なゲームが好きな人たちが入ってきたわけではないので、グラデーションでユーザー層が代わり始めたかなと言うところ

安:意識させないところからサービスを作っていって徐々に広げていくところが重要なところかなと思いました。細かいレイヤーの話をお伺いしたい。ブロックチェーンレイヤーについてお伺いしたい。Dappsを使ったしているユーザーから、使うには遅い高いと言う問題があると思うがその辺どうしようとしているか

宇佐美:会場の中でどれぐらい持っているのか聞いていいですか、使ったことある人、取引所から出した人、たくさんいる、ハードウェア、少ない。...質問なんでしたっけ。僕らがビットコインキャッシュというブロックチェーンを使っていて、ハードフォークなどゴタゴタがあった。気になる人は気になるが、気にならない人は知らない。人工の1%もハードフォークが何かとか知らない。電子マネーみたいなものがあるんでしょという99%がいる。そういう説明は一切出さない。ハードフォークのはの字もでない。本当は送金遅い、完了してないように見える。気になる人は使わなくて良いんですよ、もっと専門的なウォレットを使ってもらえれば。なんか受け取れた、受け取ったはずなのになくなったみたいな稀なケースは切り捨てている。

受け取るハードルを下げたい。会社で付き10時間だけ働いている人に、ビットコイン払でいい?といって、良いなと思ってもらえるぐらいにハードルを下げたい。割り勘して、これくらいならビットコインで受け取ってもいいかなみたいなツールにしたいと思っている。

小川:ビットコインメインで、裏でちょいちょい触っているがやっていることはYENOMと同じ。業界全体として課題があって、仮想通貨って値上がり期待しか無い。正直持っているメリットがまったくない、どうにかしないといけないと考えていて、どういうふうにこのクソみたいな通貨を持っているとメリットがあるとシフトしていかないといけない。それがちょうど2018年に終わったと思う。2019年から、値上がり期待以外にも持ってるメリットが有るようになっていくんじゃないかなと思って進めています。

安:仮想通貨業界の方々で飲み会やると現金が出てくるというのが業界の減少がよく現れていると思う。

宇佐美:持っている以外にも良いことがある。クレカの決済もまだつけていない新しいサービスがあって、ユーザーが払いたいと言ってきて、銀行口座教えようかと思ったら、ビットコインでいいですかと言ってきて、何の決済機能もついていないし向こうは僕のことを知らないのに、何も実装していないのにサッと送金される。海外の二兎とのやり取りで、お金送ってもらうのがめちゃ簡単。時間の縛りもない、24時間誰からでも超低コストで送れる。でもほとんどの人にはそういうシーンはないから役に立ってないけど、僕は助かってます

安:特殊なケースってなかなか便利なものが出ないので、普段使えるケースが切り込んでいくべきかは考えるべきところかもしれないですね キヨスイさんとかどうですか

キヨスイ:アクション起こすごとにトランザクションが必要なのでなんでこんな遅いんだとなる。オフチェーン、サイドチェーンまで最近は進んでいて、MyCryptoHerosはストレス無くできるところまで進んでいる。全部オンチェーンで対応させる必要はないのかなと言う印象。

安:どこをオンチェーンでどこをオフチェーンで、はっきり分けないといけないと話していたのでそうした事を考えた設計は大事かと思います。

アルファベットの羅列がアドレスとかビットコインを買って送ってもらわないといけないとか、ユーザーのリテラシーが求められる中でどうやって使ってもらえる工夫をしているか

小川:そこまでできていない、VALUEが気をつけているのは、応援したい人をまずは作る。そのひとのVAを買うためにはビットコインを送らなくてはいけないというようにしている。もらったビットコインは換金しなくてはいけなくて、そうすると取引所に送ってもらう。簡単なフォームのUIになっているのでそこまでできていないかなと思う。

宇佐美:僕らは本当に切り捨てていて、何も説明がない、隣に分かっている人がいる前提。秘密鍵を保存しましょうとかない。アドレスの文字列の表示もない。QRコードを読むのね。と。何も知らずにダウンロードした人は何のアプリかわからない。

リスクが高い部分、少額決済なら究極なくなっても良いものとして尖らせるのも選択肢だなと思いました。

ウォレットはユーザーの秘密鍵を預かる部分にもなりうる。やってみて気をつけたほうが良い罠みたいな部分ありますか

小川:一回の総金額を大きくできない。怖すぎる。バグがない状態に努力したところでみずほ銀行ですらバグっているのだからそれはバグは起こるよねと思う。1億円ぐらい送ってバグってたら会社が潰れる。そういう送金はなるべく起こらないようにするのができること。なるべくテスト書くとかプログラマとかエンジニアとして大事なことはするが、それしかないのかなと

ないんですか、そういうこと

宇佐美:ありました、ごめんなさいって言って、お金渡しました。想定していたユースケースではなかったのですが。

あと、1万円以上入れるとアラート出すようにしています。そんなにこのウォレットに入れて大丈夫ですか?と。

僕らはお客さんの携帯にお金が入っていて預かっているわけではない。財布屋もかっこいい財布を作っています、これをなくしたら当然なくなります、同じです、というのを意識しています。

小川:Dappsのバグでゲームコミュニティが崩壊したことって無いんですか?

キヨスイ:いまはそんなやばいことは聞いたことないですね、なんかゲーム開発するのやめちゃったみたいなのはありますけど

安:ウォレット周りはParityやBancorとか、割とテクノロジー持っているところでも持っていかれたりとか凍結されたりとかありましたよね

宇佐美:クローズドも大事だと思っていて、OSSだと何使っているか全部バレちゃう。こないだも使っているライブラリに悪意のあるコードが仕込まれたりした。クローズにするのはありかなと思う。

ビットコイン使っている時点でめちゃくちゃ中央集権で、ユーザーからしたらコードとかはどうでもいい

安:私のサービスと小川さんのサービスは近いと思うのですが、ブロックチェーンレイヤーといきなり通信するのではなくて、ウォレットを意識しなくても使えるようにしていて、我々はOSSでやっている、むしろバグを見つけてほしい。バグが見つけてもらえる可能性もあればハッキングされる可能性もある。

宇佐美:依存を減らすべきですね、OSSでライブラリいっぱい使うと全部チェックできないですからね。

安:Dappsレイヤーの話で、せっかくなのでキヨスイさんにいろいろお話伺いたい、ユーザーとして利用している中で普通のアプリケーションとDappsって何が違うんでしょう

キヨスイ:キャラクターが自分の手元にあって売買できる。マリオはレベルを上げても取り出せない。それが取り出せて、自由に交換したり売却したりできる。もう一個が、ERC721というトークン(規格)を使っているので、あるゲームのキャラクターを、他のゲームで使うことができる。何百万でキャラクターが売買されたCryptoKittiesはいまは流行っていないが、その猫をサブキャラとして使えるゲームが開発されている

安:普通のゲームでも連合を作ってゲーム間でアイテムをやり取りできるようにできないかと思うが、従来のゲームの業界で、ここで鍛えた剣を持っていきましょうって、そういうのって無いんですかね

キヨスイ:FFの剣をドラクエには持っていけない。それが、できる。

安:かいしゃがいろいろあってライバルなので手を組まないが、ERC721は共通規格でコストは安いしみんなで共有できるということですね。

Dappsゲームってなぜ面白いかというところをおききできれば

キヨスイ:いまDappsゲームを触ったら、ここにいる全員がつならないと思うと思います。それは保証します。でも投資的な、経済的な麺もある。MyCryptoHerosが先日リリースされて、国産ゲームだが人気ゲームとして世界でトップを取るぐらい動いていて、何故人気が出たか、本当にゲーム性がブロックチェーンゲームは低かった。それと比べて、頭一個出るぐらいのゲーム性をもたせてくれた。あと無料プレイができるという状況を作ってくれて、この2点がみんなが楽しめる環境になって楽しめるものになったと思う。

サイドチェーンとオフチェーンを使っているので、自分のアセットをEthereumから出して、そこでゲームをする。向こうが持っているわけでもない、Ethereumから切り離した状態で考えている、それで手数料いらない。

安:それで何かをやるたびに手数料がいるということがなくなった、すごく大事なところですね

使っているユーザー層はDappsは限られているということだったが、一般ユーザーまで広がっているんでしょうか

キヨスイ:知っているけどGas代高いしキャラクター高いし手を出せないという人たちが使い始めた

安:資産や売買でブロックチェーンが使われてあとは普通のゲームみたいになっている?

キヨスイ:感覚には普通のソシャゲのようにはなっている

安:DAUいくつでしたっけ

キヨスイ:1000とかですね、1ヶ月前は30とかいればよかったんですけど、それと比べればすごい。

安:そこがこの業界のことを表してもいる。と思う。スケール的にはまだ普通のゲームと比べると低い。 面白いから発展させるべきところと、課題だから解決すべきところ、どう思いますか

キヨスイ:アイテムやキャラの売買という経済圏ができるのは今までできなかったところ、そこは発展させてほしい。

課題は、パズドラとかモンストには足元にも及んでいない。結局スマホゲームでパスドラとかって面白いからプレーするじゃないですか。面白さと100万稼げますよというのが、100万円で勝てるのか。面白くないと広がっていかないと思う。YouTubeでゲームやっているような人たちが入ってくるようになるようにするというのが、課題かと思う

安:次が最後のテーマ、法規制のところ、私もやっていてだいぶいろいろハマったところ、小川さんも似たところでいろいろハマっていると思う。VALUを作るにあたって法規制で気をつけるべきところとか

小川:今から作るのは無理なのであと2,3年まつ。当時ビットコインの法律は制定されてよくわからない状態、あえて曖昧な部分を残している、残したがとんでもないことが起きたので、一気に厳しくなった。法規制がどんどん生まれていく中でVALUもまだ区分けされていない。YENOMとかも資金決済法が入る可能性もある。言えることはもう少し若い人や技術者の意見を取り入れた法規制にしてほしい。偉い人や知見のある人と話すと全く仮想通貨のことが分かっていない。そういう人たちが法律を作っても良い法律できるわけがない。国の問題かなと思っている。いい人材がいない、銀行にインターネット出身の人がいない、仮想通貨みたいなイノベーションがあったときに、いままでの考え方で適用しようとしてくる。ブロックチェーンだったら、1号通貨はビットコインです、2号はトークンですと言われたら分かりやすいけどそうなっていない。どういうふうに整理していくかとかで若い人とかの声が反映されてほしい。

宇佐美:どうしてビットコインだけにしたんですか?日本円でもできると思うんですが

小川:日本円だと集団投資スキームとかあってだめ。いまのICO法定通貨で変えると投資スキーム。仮想通貨で変えているのはそういう理由。そういうところに面白みがあってVALUというサービスをやっている。いままで価値がつかなかったものは沢山ある。みんなが価値を認めるところに価値がつく、それは新しい世界。でも金融の世界は詐欺とかマネロン対策のサイクルでできている。バランスを取ってどのような法規制になるかが気になっているところ。

安:ウォレットの規制とか厳しくなる一方でベンチャーが手を出せなくなる、というところをもうちょっといい法規制にできたら良いよねと思っている。コンシューマー向けを考えておられる方はそのへんをお割れながら現実ラインを探ったほうが良いのかなと思います。ひとまず一通り各レイヤーの話をしてきました。 あと4分ほど、質問1個ぐらいあれば、あ、ピッタリの時間みたいです、懇親会で続きをご質問いただければと思います。