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やさしいDeFiグループディスカッション #BCJ2020

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私達はやさしいDeFiというグループ名です。DeFiについてみなさんと理解を深めていければ。

私はhoryです。KyberNetworkで日本を担当しています。

KathleenさんはMakerFoundationのジャパンリードです。

そして日本でも有数のDeFiヘビーユーザー信玄さんです。

DeFiというグローバルコミュニティがあり、日本でも学べるグループを作っているDeFi Japanがある。

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月一回イベントをやっている。最近はオンラインで。この3人でやることが多いです。

内容としてはMakerDao、compoundなど、DeFiを聞いたことがある人なら知っているであろう個別プロトコルの勉強会から、最近はやったYeild FaarmingなどDeFiの名前が売れたきっかけとなる出来事についてまなんだり、幅広くテーマ、トピックを選んでやっています。興味を持った方は是非参加してください。

Telegramグループやイベントに是非参加して学んでいただければ。

JapanコミュニティTelegramがあるので関心がある人は是非ジョインしてください。そんなにアクティブ化等とあれですが、いろんな疑問があったら色んな人達がディスカッションするということもあったので、興味があればぜひ覗いてみてください。

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t.me

あとはConnpassでやさしいDeFiのイベント情報をお伝えしていますのでWatchしていただけるとありがたいと思います。よろしくおねがいします。

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defi.connpass.com

今回グループディスカッションをしてくださいということで、テーマを決めて話していきたいです。

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感動したこと、誤解があると感じること、面白いと感じたユースケース、考えるDeFiの将来像について、話していきたいと思います。

いいでしょうか。

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DeFiが何のことかわからない人も多いですが、わかりやすいところとして、DeFiを使って感動したことについてお伺いしたいと思います。

お二人に質問して予め聞いたりしていたのですが、「DeFiを使うと境界線のない新しい金融に感動しました」というKathleenさん、どういうことでしょうか

Kathleen:本当にDeFiは境界線に縛られないということです。国境に縛られなくなったことが、経済的自由に繋がります。たとえばハイパーインフレの国に住んでいる人は安定した暗号通貨やDeFiサービスを利用できるので、資産価値の保存ができます。この部分がとても素晴らしいと感動しました。

信玄:ハイパーインフレの国はドルの購入制限があったりする。普通の人はBTCとかETHみたいなクリプトよりはできればドルみたいな安定したものを求める傾向がある。それが制限に縛られずに自由に売買したり送ったりできるのは便利だと思います。

hory:結構ユースケースがあるわけですよね、そうして実際使われているのは、後で話すかもしれませんが。どこに住んでいても公平に金融にアクセスできる基盤がある。

では次。停止しないことや透明性の高さ、信玄さん

信玄:停止しないこと、ですけど、ブロックチェーン、主にEthereumをここでは挙げますが、基本的に24h365d無停止で、普通の証券会社はメンテナンスがあったりするし、トラブルもある。クラウド系のサービスがダウンしたとかもある。でもDeFiサービスはブロックチェーンが動いている限りは止まらない。UIのところはと混たりするが、メジャーなものはいくつもアクセスするサービスがあるので、落ちてもほかからアクセスできる。コントラクトは裏で動き続けているので止まらない。それから、取引所は自転車創業しているのかちゃんと回っているのかわからない。以前もある取引所が突然破産してユーザーの資産が失われた事があった。そういうことがないので、もちろんちゃんとしたものが前提になるが、リスク管理上、こちらのほうが優れていると思いました。

hory:そこは透明性の高さで、ユーザーが判断できるということですよね。ユーザーとして僕が感じたことは、透明性の高さがどういうところで良かったと感じたかと言うと、いろいろ、こういう利率が付きますよと資産運用手段があるが、銀行窓口に行ったときにおすすめされる金融商品でこうですとか言われても、これ本当のところはどうなのとか、この手数料はどうしてなのとか、どうしてこの利率がつくのかというのは、聞いても本人もそんなにわかっていなかったり、深いところ検証しにくいところがあって、もやもやすることが結構多かった。DeFiを使ってみて色々見ていると、この裏には何があるか掘れば自分でわかってくる。そういう情報の非対称性が、自分の力で取り払うことができるというのが、僕はDeFiを使っていて、新しい金融体験だなと思った。

信玄:それは間違いないですね。金利が設定されていたとして、その金利がどうやって実現されているか見えるか見えないかは本当に大きな違い。回るわけのない高い金利が設定されていたりとか、もしくは異常に高い金利だが市場に大きな歪みがあってその金利が実現されているからこれは詐欺ではないとか、そういう判断ができる。パラメーターもオープンソースなので、パラメータを変えるときもガバナンスなど所定の手続き、一定時間以降に反映される、などがあるので、リスクとリターンのところで圧倒的に透明性が高いほうがユーザー視点としてはアドバンテージが高い。

hory:本質としては境界線のない新しい金融やFairnessといったところだと思うが、先進国に住んでいる我々でも新しい金融体験として、衝撃・感動が起きることはあるかなと思います。

Kathleen:3つの点をまとめると、新しい金融、新しいサービス、金融サービスへの新しいアプローチ、それが世界中の1/3と言われる金融機関の口座を持たない人たちや、より良い金融サービスへの願望を持つひとなど、いま不満な人が自分だけでなく、これからよりよいサービスを利用できるのは感動する。

hory:DeFiとはどんなもの、という図解を書いてみたのですが、単純に言うと、Decentralized Finance、分散型金融、これは何かというとパブリックブロックチェーンが前提にある。パブリックブロックチェーンを大切にした上で、上に乗っかるのがDeFiというのがイメージを抱きやすいかなと思うのですが、パブリックブロックチェーンの特徴を享受した金融、様々な種類の金融プロダクトがあります。

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パブリックブロックチェーンを何故使うのかと言うと、オープンで皆が使える、Kathleenさんが言ったような、国境を超えて良質なプロダクトにアクセスできるだとか、こういった特徴が何故あるかというと、パブリックブロックチェーンを使った特徴ですよね

信玄:これは組み合わせが重要なんですよね。パブリックブロックチェーンじゃなくてプライベートブロックチェーンで動かしたほうが早くて安くていいじゃないか、と思うかもしれないですが、実際にはそれはそう簡単な話ではなくて、これは話すと長くなってしまうので省きますが

hory:検閲耐性、ボーダレス、中立性、透明性、パブリックというところが大事だということですよね

次行きましょうか

誤解があると感じるところを聞いていきたいと思います。

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単なるマネーゲームだと思われているのが悲しいというの、どうですか

Kathleen:最近Yield Firming色々あったが、それを見るとただDeFiはマネーゲームが好きな人のためにあると思われる。それが、そういう面もあるかもしれないが、それより公平で、誰でも利用できる、新しいタイプの金融サービスやシステムの可能性に情熱を持っている人もたくさんいる。それが誤解されることだと思う。

hory:Yield Firmingが流行って法外な利率がつくのが注目されてしまったのでマネーゲームと思われがち

信玄:クジラと呼ばれる大口が強いしガス代が高くなるとその傾向が強まるが、その傾向がずっと続くわけではなくて、今のように落ち着いているときでも、収入が低い国の人がDeFiのコミュニティに貢献して報酬をもらうとか、ブロックチェーンゲームで稼ぐとか、いろいろな例がある。先進国だけの感覚だけでなくて、もうちょっと視野を広げると、クジラたちのマネーゲームだけではない、という側面が見えてくるかもしれません。

hory:DeFiの図解のところで話をしましたが、検閲耐性 、ボーダレス、中立性、透明性、パブリックというところが大切なところで、もちろんこれは危険なところでもあるわけですが、ここがなくなってしまうとDeFiの意義がなくなってしまう。ボーダレスでないとか、どこかの国がほしいままにできてしまうとか、というのは困る。ここをキープしないといけない。でも今の所、ここを守るためにはコストがかかってしまう、Gas代が高くなるとか、ということはわかっている。課題ではあるが、良く解釈をするとしたら、お金がかかっているところというのは、いわば中立性やボーダレスになる部分が守られているということかと思う。

つぎは、「管理者権限などの拡大解釈ですべてのDeFiが危険なものだと思われて悲しいです」ということについて

信玄:はい、プロダクトによりけりですが、UniswapやCompoundとかMakerDaoとか、以前からある多く利用されたプロダクトについては、そう簡単には利用者の資産を取れないようになっています。少なくとも運用者やプロトコル側が勝手に使って自転車操業するというようなことはないです。ここのところ、以前Twitterでアンケートをしたら、ほとんどの人が「Yield Firmingの報酬は利用者の資産を売り払って出しているのではないか」という印象を持っている人たちが多かった。それは構造的にたまたまそういうふうになっていただけでそういうものではないということを理解いただけたらと思う

hory:結構利率がなんでこんなに高いんだと、詐欺を疑うのは当然の態度で間違ったことではないが、実際詳しく時間を掛けて見てみると、こういった理由があるのだというのが、はっきりわかる。先程言った透明性の部分でもあるが

信玄:そうですね。利率や金利に釣られて新しくて怪しいものに大金を入れてしまうとハッキングされたり事故が起きたりするのでそこは慎重にする必要がありますが、ちゃんとしたものを選べばかなり安全性は高いと思います。

hory:3つ目、「早い安いって正義でしたっけ」というのは、ガス代が高いとか使い物にならんとか色々言われましたが、なかなかFintechのように、早くできて今までより安くできましたということとはDeFiは違う部分もある。検閲耐性 、ボーダレス、中立性、透明性、パブリックという部分、まずここを大切にした上で、次にどう解決していこうという議論になるのがいいかなと思います。

それでは、次行きましょうか。面白いと感じたユースケース。

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「通貨がハイパー・インフレしている国での利用は興味深いです」、Kathleenさん

Kathleen:それはさっき申し上げたようなハイパーインフレの国、例えばアルゼンチンとベネズエラという国でのステーブルコインでの利用は素晴らしいユースケースだと思います。いままでビットコインは非常に魅力的でしたが、ボラティリティが高いため信頼できる日常の価値の保存手段にはなりませんでした。今年特に(ドルのステーブルコインである)DAIがアルゼンチンだけで去年500万ドルだったトレードの量が今年4倍になって人気になった。取引所も増えてきてDAIを提供している取引所も去年1つしかありませんでしたが、今年は6つに増えてきました。なぜ人気か考えると、もともと今まで無かった選択肢が増えてきた。ドルにアクセスできなかった人たちができるようになった。

信玄:Ethereumだとコントラクトウォレットという比較的使いやすいウォレットがある。Bitcoinは汎用的でセキュアですが、より多くの人にということでは、コントラクトウォレットのように使いやすいものが求められる傾向はあるのかもしれない。

hory:詳しくない人、秘密鍵などがわかりにくい人も、割と使いやすいような

信玄:メールとパスワードを登録して秘密鍵を管理しなくても使えるものがあるので、そういったところも関係していると思う。

hory:インターネットさえつながってくれれば、身分とか関係なく優れた金融プロダクトを使って資産運用ができる、貯蓄できる、そういう手段を開放するところがある。使いにくいウォレットでは意味がないですから、使いやすいウォレットの開発は要チェックですね。

次、「DAO!DAO!DAO!分散的にプロトコルを所有することが面白い」信玄さん

信玄:これは以前から言われていてなかなか実現しなかったが最近この動きが進んできたと思います。

hory:DAOはDecentralized Autonomous Organization、自律分散型組織でしたっけ

信玄:そうですね。いくつかのプロダクトは、たとえばYearn.financeは、今ちょっとトラブルが色々ありますが、とはいえプロダクトがあり、そのプロダクトが収益を上げていて、そうするとトレジャリーがあって資金が集まり集まった資金からコミュニティからメンバーをフルタイムで選んでそういう人に給料を払ったりとか、ガバナンストークン保有者に配当したりガバナンストークン保有者で何をするか決めたりとか、そういうことをコミュニティでやっている。企業のようにCEOはいなくて、コミュニティとガバナンスで機能していて、これはすごいと思います。

hory:CompoundやUniswapとかMakerとかの話ですよね、こういうところのプロトコルが、分散的に保有される、ある会社が保有しているのではなく、地理的にも立場的にも保有される。そして頑張ってくれる人に給料を払う

信玄:Grantとかも出したりしていますよね

Kathleen:それぞれ違うプロトコルは全部DeFiだけど、形が若干違って、MakerDAOは本当に段階的に、少しずつ完全自立型分散組織になっていく。たとえばMakerDAOのコミュニティの一部であるMakerFoundationは将来解散します。それについて次回やさしいDeFiで詳しく取り上げます。

信玄:MakerもほかのDAOとして動いているものと同じ様になっていくということですよね。いまはフォーラムとかで何を担保にするかという議論で進行役みたいなことをしてくれている人たちがいるけど、そういうところから誰かがプロダクトに雇われる、誰をやとって給料を払うかをガバナンスで決めて、そういう人が進行役になったりしながら進めていくと。MKRトークン保有者は決定に対して投票してどうMakerを進めていくかを決めていくということですよね

hory:投票権のある人が世界中に散らばって、トークンを持っているというつながりだけで統治していく、これが分散型ガバナンスですね。つまり、プロダクトを止められると、検閲耐性 、ボーダレス、中立性、透明性、パブリックといったパブリックチェーンの特性が台無しになってしまう。CEOみたいな人がいて捕まって止めますということになると台無しになるので、プロダクトも分散して持続的にしていこうという話ですね。

最後、今後DeFiはどうなっていくと思いますか

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「オープンネスを活かしたより公平な経済活動が増えるのではないでしょうか」、Kathleenさん

Kathleen:富の分配が包括で公平な新しい経済が実現できればいいと期待しています。

hory:誰もがアクセスできることで、ということですよね

Kathleen:はい、そうですね。それだけではなく、プログラム可能なマネーやNFTを通じて価値を簡単に移転することができるから、もっと公平な経済が実現できるようになる。たとえば、クリエイターは今まで自分が作ったものを売りたい時、Youtubeとかどこかのプラットフォームに頼っていたが、自分の作品への報酬をお家で得られるようになるので、それによってこれから色々変わっていくと思う

信玄:実際そういう動きは今起きてきていますよね。デジタルアーティストが自分の作品をRaribleとかNFTマーケットプレイスで販売したりして、それを誰かが売ってさらに売ったりしていて、そういう動きが出てきている。人それぞれの貢献や技術を価値化しやすくなった。

hory:次行ってしまいましょうか、「金融機能のプロトコルはより一層進むのでないか」、信玄さん

信玄:いままでお金を送ったり、誰かに貸すとかは、いままで間に金融機関を挟んで、そこが信用を担保していた。今でもそれが基本だと思います。ですが、DeFiの上ではそういった信用の高いMiddlemanを挟まなくてもプロトコルがそれをやってくれる。CompoundやUniswapやMakerは2年ぐらい続いているわけで、多少トラブルはあるけども大きな致命的なトラブルなく動いている。DeFiは24時間365日動いて止められない、技術的にはこれが可能になてしまった。またUniswapをコピーしたSushiswapもありますが、「コードが問題ない」とわかれば大金を預けることができてしまう。それは「機能」。PCでもファイルを送ったり動画をアップしたりできるが、それも要は機能がプロトコル化したことで起きている。今度は金融でそういうふうに金融機能がコモディティ化して広がっていくのではないかと思います。

hory:わかりました。ちょうど残り1分ぐらいになってしまいましたが。

Kathleen:近い将来ユーザーがDeFiを使っていることに気づかないほどシームレスになったDeFiを見られると思っています。

hory:プロトコル化して自動化するわけで、ミドルマンがいなくなるが、「検閲耐性 、ボーダレス、中立性、透明性、パブリック」を大切に思ってどんな国の人でもどんな立場の人でも使える金融を目指そうという開発者がいる限り、自動化したからといって安くなるわけではないかもしれない、まだまだ。そこはこれからセカンドレイヤーなど解決策が練られていくし、「検閲耐性 、ボーダレス、中立性、透明性、パブリック」ということにはデメリットもあります。テロ資金供与とか。規制は止められないが、規制とどういうバランスでやっていくかは、これから探られていくべきところではないかと思うので、ウォッチして皆と話して行ければと思っています。

みなさんありがとうございました。

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またいろいろと一緒に勉強していきたいというのがありますので、SNSでもメールでも質問あれば聞いていただければなと思います。

それでは私達の発表を終了いたします。みなさんありがとうございました。