コーディングを学ぶには絶好のタイミング!技術は日進月歩、進化を遂げています。Apple Platformでの開発はSwiftやSwift playgroundにおける進歩によって、より簡単に取り組めるようになりました。しかし、この業界では、ソフトウェアエンジニアになろうとしている人と、エンジニアリングの役割を果たそうとしているテック企業の採用要求にはまだギャップが存在します。このトークでは、ソフトウェアエンジニアの人口統計からよく見落とされがちなポイントに焦点を当てます。これからソフトウェアエンジニアになろうとしている人々にどのように手を差し伸べられるのかを議論し、私たちソフトウェアエンジニアがApple開発者コミュニティをどのように成長させられるのかについてお話しします。ソフトウェアエンジニアではない人が壁を乗り越えることの難しさや、SwiftとこのApple開発者コミュニティが提供できるものとは何なのかについてもお話します。
皆さんこんにちは、井上真祐子と申します。
日英両語でお話します。両親に教わって時々関西弁が入りますがよろしくおねがいします。
私は現在ネットフリックスでiOSデベロッパーとして働いています。
でもきょうはNetflixの話ではなくて、テック業界の多様性の問題と将来への展望について話します。
私は2年前にYoutubeチャンネルをはじめました。シリコンバレーのソフトウェアエンジニアの生活のブログを書こうと思い、ビデオをアップしました。
テック業界の話、ソフトウェア開発などのテクニカルな話だけでなく、生活など、仕事の周辺部分についてビデオで発表してきました。
光栄なことに、約400万回の視聴回数をいただき現在21万人以上のサブスクライバーがいます。ありがたいと主に、世界中にテック業界に興味を持った人がいることがわかりました。
テック業界もダイバーシティーとインクルージョンについてはまだまだ成長が必要だと気付かされた。
どうすればより多くの人々に働きやすく成るか。それが私の大きなテーマになっている。
今日はそのことについてはなさせていただきたいと思います。
Netflixの前はサンフランシスコのエンターテイメント系のスタートアップで働いていました、2人しかiOSエンジニアがいなかった。採用することになり、私も関わりたいと申し出た。これを機会に、もっと自分のチームを多様にしたかった。
しかし蓋を開けると志願者に人種的な多様性がないことに気づきました。マイノリティーの方が極端に少なかった。
なぜこうなのか、と採用担当者に聞いてみた。
実はマイノリティーの人は殆どいないのですよといった。
もう少し調べると、白人アジア人は数万人、ラテンアメリカは...
この数を見て驚きました。テック業界にはダイバーシティに関わるプロジェクトがあったが、なぜ実態はこうなのだろう
ミレニアル世代の私はツイッターでその質問を投げかけました。
たくさんの方から返信が来ました。最も多かった反応は、iOSデベロッパーに成るためのお金がない。
コンピュータを買う初期費用が高すぎて、払えない人は入り口で諦めることになる。
次に多かったのは、iOS業界にどうやって入ったら良いかわからなくて不安という声でした。
同僚に聞いてもルートはいろいろ。でもはっきりしたルートはない。かかる費用などがわからない。
経済的格差があり、それが更に広がっている時代です。しかしこのことは私達が直接コントロール出来ないこと。
今の私達にできることもあるはず
現実を見ることから始めるべきだと思うので、体験をお話する。
さて、私は女性です、アイデンティティのなかにはアメリカ人と日本人の両面があります。90年台に生まれた移民の子供です。
人との関わりにそういった生い立ちやこれまでの経験が基礎になっています。
そして私のようなアイデンティティや価値観を持ち、同じような経験をしてきた人は稀で、ユニークであることに気づきました。
日本には出る杭は打たれる、という言葉がある。現在のテック業界ではマイノリティが辺に目立つ、出る釘になるというところがあります。
辺に目立たないように自分の振る舞いを調節することはある。ダイレクトな表現を使ったり、上司にも反対意見を述べるような、日本のコミュニケーションスタイルを、アメリカ式にプログラムすることも必要。
でも変えられないこともあります。
例えば私が日本人であるということをやめることは出来ません。価値観や言動は日本人的で、渡しはそのことを誇りに思っています。 しかしその事自体が米国において私を出る釘にしてしまうのです。
しかし、個々で言いたいのは、あるカルチャーが他のカルチャーと比べて、より正しいということはありません。
コミュニケーションの仕方の違いなどでしかない。
でもマイノリティーであるということで独特の苦労を強いられることがある
ときには、周りの人々と、日本や日本的な考え方について深い話が出来て楽しいときもありますが、私のアイデンティティに対して先入観を持たれることがある。
多くの人が私がソフトウェアエンジニアだと思われていないし、若く見られることが多いため、十分で専門的なスキルが無いと思われることがあります。
これは残念なことです、これはまさに他のテック業界に入る人たちを、不安にさせることでもあります。
ここは、アメリカ人的に聞こえるかもしれませんが、私も周りの人々も、いかなるバイアスから開放され、様々なバックグラウンドや価値観を持ったありのままのその日と出会ってほしいと思っています。それが実現したらどんなに豊かで魅力的な業界になるでしょう
皆さんも御存知のように、多様性と一口に言っても、人種、性別、性的指向性、年齢などいろいろなディメンションで語られます。でもひとはひとそれぞれちがい、それぞれの魅力を持った存在です。私は多様性をそういったレベルで捉えたいと思っています。
みなさんがご存知のように良いソフトウェアを制作するには十分勝つ多面的なリサーチが必要です。
できるだけ多くの多様なバックグランドの人達が協力してこそ本当に良いものが出来るのです。
それを可能にするために、より多様な人々をこの業界に迎え、壁と取り払い、よりインクルーシブにするのは、私達のやるべきことです。
どうすればいいか提案を述べさせていただきます。
SwiftはApple社がTech業界にもたらした素晴らしいギフトです。プログラムを学ぶのがとても簡単になりました。Swiftではじめてプログラムを書く人も多いと思います。プログラムがより身近になり、使いやすいものになります。
Swift関連のものづくりに置いても、多様性を豊かにしインクルージョンを実現する力があると思います
2つの提案をしたいと思います。
まず第一にどんな物や事を作りたいかのイメージをはっきりさせましょう
ユニークなバックグラウンドやアイデンティティを持つあなただから、あなたにしかできないことはなにか。
カンファレンスで発信したり、高校生にプログラムを教えたり、ソフトウェアエンジニアの生活についてイラストを書いたり。
あなたの求める生活はどんな生活?あなたの強みは?本当に楽しめることはどんなことでしょう。
そういったことに自分の中で答えを見つけてみてください。
2番めに、できるだけ自然体のあなたをテック業界の内外の人に知ってもらうようにしてください。
出来たらアイデンティティや経験について話してみてください。
テック業界の外の人たちにも、ソフトウェアエンジニア以外の人達に、指標を与えてあげることが出来るかもしれません。
2年前に私がビデオをアップしたとき、このスタイルがこんなに支持されるとは夢にも思っていませんでした。
世界中で、それぞれの方々がユニークな自分版のビデオを作って自然体の姿を見せてくださいました。
フランクな紹介の仕方が支持されたことを嬉しく、光栄に思っています。
このような方法が、次の世代の方々の大きな励ましになるのではないかと思っています。
このカンファレンスでは素晴らしいスピーカーの方たちが、素晴らしいトピックを話してくださいました。
まだまだ協力者が必要で、オーディエンスの皆さんにもどんどん参加していただきたいと思います。
言語、パーソナリティを越えて私達にできることはたくさんあります。
この素晴らしいエネルギーを持って一緒に次の世代につないで生きましょう。
ご清聴ありがとうございました。