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規制と税制が日本の暗号通貨業界に与える影響 #HashHub2018 05

hhc2018.peatix.com

参加した聞き起こしレポートです。

規制と税制が日本の暗号通貨業界に与える影響

  • 司会
    • 後藤あつし
  • パネリスト
    • 長瀨威志 (アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
    • 斎藤創 (創法律事務所)
    • 柿澤仁 (ブロックチェーン会計士)
    • 沼澤健人 (Aerial Partners)

現状の振り返り

  • 税制
    • 交換の都度計算してください
    • 仮想通貨間の交換
    • 累進課税、損失の繰り延べができない
    • 課税の公平性
    • 改善できるか → 政治側の心象が良くない
  • 資金決済法での取扱
    • 資金決済法で規制されていて、金商法ではないかとも言われているが。
    • 登録要件が厳しかったりリスク管理をしっかりしろと金融庁の態度が硬化している
    • 海外でやればいいか?世界的に規制を引き上げていこうとも言われているのでどうだろうか。
    • 金商法にうつるとどうなるかというと、終わりかというとそうではなくて、投資性のある商品を規制する。面倒なことに金融証券取扱業が必要になる。

斎藤

規制団体が3月末に新設で登録事業者が入った形でJBCBEをやっています。自主規制を考えています。

金融庁によってみなし業者に検査が入って業務改善命令等を多数出された状況。皆さんもお感じになっていると思いますが業界に対し厳しい姿勢を取っている。業者に対しても相当厳しい要求をしているし、業界規制にもきれいになるような規制を作れと厳しい要求をしている。

しばらくそういう厳しい状況が続くと思っている。パネルで話すかもしれないが、弊害が出てきていると思っている。取引所はある程度厳しくするのはいいと思うがスモールビジネスや新しいビジネスについても同じような規制がかかると相当厳しくなるので遅れてしまうと思っている。

自身は業界側の弁護士だと思っているので、どうにか巻きかえをし図りたいと思っている。新しいビジネスができないという事があるなら上手く解決方法を探していきたい。

ICO日本での情報を長瀬さんお願いします

長瀬

ICOについて今の状況や今後の予想について

日本でのICOは昨年11月待つから12月にかけて仮想通貨の解釈について、ICOが爆発的に増えているのでICOトークンが上場しなかったとしても、流動性が上る可能性があるなら発行時点で仮想通貨と考えるべきではないかと言われて、どうするか協議していた中で、コインチェックの事件が起きて議論が止まっている状況。

適法に日本でICOができた例は3件ぐらい。いまは出来るのだとしても規制が止まっているので止まっている状況。

いま行われているとすれば、トークンを無料で配布してその後海外取引所に上場することで最小1サトシで上場させることかと思っているが、無登録取引所を通じた日本人への売買ということで、なかなか厳しいのではないか。

ICOは止まっているし、類似ケースもなかなか厳しいというのが今の状況。ただ、日本では今後絶対にできないのかと言うとそういうわけではないと思っている。

議員連盟も立ち上がって、規制の議論が今後どうされていくか、資金決済法に加えての自主規制もありうると思っている。法令改正では年単位になると思っている。ICOの実務も激しい分野なので実勢で対応していくのがいいと思っている。

沼澤

国内の状況

市場の高騰があって去年一気に暗号通貨の勢が社会課題になった。

個人投資家にはタックスアンサーで課税しますと言ったところからスタートして、12月一日に個人の仮想通貨投資家が従うガイドラインが公開されて、我々からするとサプライズはなかったが、一般の方にはインパクトが大きくて、(トレードごとに計算するなど)全国の会計事務所ではほぼそのような計算は不可能となっているのが現状。

取引所を前提とした実務について、取引所は会計基準が明確になってきている。現状原理原則に従って処理をしていくという現状。

会計税務の部分でブロックチェーンプロジェクトから相談を受けることも多いが、実務の現場から本来あるべき会計の方法、処理について世間に訴えかけていくのが大事だと思っている。

実務、プロジェクトを理解しているのはプロジェクトの中の人なので、どういった開示が妥当と考えているか、発信していくフェーズだと思う。

タップスみたいなところが出てくるといいと思う。税務周りは分離課税にしたり税率を下げたりは提言させてもらっている。ダイナミックな改革をする前に少額決済の特例とか、エンドユーザーが仮想通貨に触れるというところで、制度が前向きになればいいと思う

柿澤

ブロックチェーン会計士

海外、外資系の会社に努めていて、海外動向など聞く機会が多いが、情報を聞いている中で、日本の規制や税制はすごくビジネスセンスが無い。

マネーを取り込むことを考えていない。海外だと規制する代わりにビジネスとしてマネーを取り込むことを考えていることが多い。

取引所も、日本が世界最大になったのは昔の話でBinanceももう1位ではない。マーケットシェアはすごい小さくなってきている。

アメリカを見てみると、SECが証券は証券という強めの規制を入れたが、何が決定的に違うかというと、ICO世界最大の市場になっていて、日本は0件ということになっている。。

アメリカでは超富裕層向けのICOビジネスになっているが、もう少し下のレイヤーの人も手を出せるようにしようと法制化しようとしている。すばやく議員が対応している。

そういうセンスが規制側にないのが致命的。税制も、悲しいけど、国際税務(海外の一個一個の国との比較)をすると日本の国際競争力ほぼ0。

仮想通貨を買う側もブロックチェーンを使ってなにかする側も海外の方が圧倒的に有利、リスクをとってもリターンが大きくないという摩訶不思議な国。すごく危機感を持ったほうがいい。

世界最大市場が一気にシュリンクしてしまった。ほかは規制が決まってないところがほとんどだが、規制が決まっているのは有利。そこでどう巻き返すかで考えないと日本でブロックチェーンや仮想通貨について効かなくなるんじゃないかと思っている。

具体的な議論について進んでいきたい。ICOについて、実際に投資されて儲かった人もいるし、詐欺的な案件で金融庁に相談されるケースも増えている。

???

巨額を集めることとICOの成功と同一になっているが、必ずしも一致することではなくて、お金を集めすぎると投資家からの厚る欲が高まって複雑なものをリリースして、とりあえずリターンを返すということろに目が行きがちで基礎技術に目が行かない。

投資家も高値で転売できればいいみたいな状況。こういう中で規制を優遇してくれとか規制を緩めてくれと行っても通るのかという問題がある。有価証券としてみなされそうだという話もあるが、有価証券になると革新的な用途や投資商品になってしまうとPaymentほか面白い用途が制限されるのではないかというのがある

長瀬

規制が厳しいのでビジネスが阻害されるという理屈が通るか?

規制が厳しいというよりルールが固まっていないのでICOできない状況。

民泊のAirBnBやライドシェアの禁止がおかしいというのもICOの文脈でも当てはまると思っている。なかなか難しい。私も金融庁に出向して居たときにMtGOXが起きて規制当局側の視点もわかる。

いいICOとはなかなか大きな問題だと思う。他の資金調達方法にも何かしらの問題があるのだろいうという視点も必要。

メリットとこれからあるべきICOの形はこれから議論を積み重ねていかなくてはならないと思う。

アメリカの議論ではみなし、有価証券、インベストメントコントラクトは比較的緩やかに判定している。プロダクトが出来る前の段階ではInvestmentContractは証券というのはわかりやすい。実際にプロダクトが出てきたらコモディティではないか。と。

みなしのような味方は日本では禁止されている。今後の議論や取り組みで規制したほうがいいのではないかという議論が起きることはあるだろう。でもスピーディーに変わってくるものなので、

ビジネスで相談来ていると思うがICO関連でどういう感じか

沼澤

海外プロジェクトに日本投資家にICOするときに相談いただくケース多かった。相談はかなり減っている。

国内にいるブロックチェーンプロジェクトの皆さん、交換業者経由でICOするのを待っている方々もいらっしゃるが、一回日本は規制が固まるまでおいておいて外でやりましょうという雰囲気。

私はもともとファーストキャリアが監査法人だった。個人的な興味としては国内のICOプラットフォーマーや交換業者の取次が実現したら、ホワイトリストに乗せるトークンをどう選択するのか、Auditみたいなことは必要なのかというのが関心事。

現状日本ではできない雰囲気があるが海外のものを紹介している人もいるがどういった取扱か

海外の人でも日本居住者に販売するとk資金決済法違反。媒介(契約背率のために尽力する)のは違法。

紹介はいい。紹介と媒介の境目が難しい。媒介はアフィリエイターが本当に大丈夫かは怪しい。

FXについて、海外業者を紹介すると関東財務局は違法な可能性があるといい方をしている。日本人向けに紹介する、単なる紹介はいいが、売るのは100%だめ

詐欺ICOなどにどういったご意見をお持ちか

柿澤

プロダクト作る前の段階でやるのが多い。

VCすらファーストプロダクトができてから投資する。そりゃ潰れますよねと。詐欺だろうがまともだろうが9割は失敗する。そういうものに投資するのわかってやってますかという。

かと言って、騙されるのが悪いかというとそうでもない。

海外どうなっているかというと、ある程度騙されてもいい、自己判断できる人(金持ち)向け、プライベートセールする間もなくプリセールで終わりとかになっている。健全した流れかと思いつつも、普通の投資で良かったのではないかという気もする。という印象です。

規制も追いつかないが、ある程度レギュレートされた方に向かっていると思う。

日本の交換規制、コインチェック後、厳しくなって、規制から金融業として監督に変わってきている。

一方で登録待ちも増加している。

マネックスコインチェックを買ったが、当局は取引所を既存の金融企業の傘下に入れたいのか? また、規制したところで、Stableコインと分散取引所が発展すると取引所を使うニーズは無くなって、みんなDEXなどで済ませてしまい、規制の枠組みが崩れないか

金融庁は傘下に入れたいというか、証券会社や銀行の知識を持っている人にやってほしいのだろうなと思っている。独立系で残れるところは相当限られているのではないかと言われている。そういう知識があるというところにやってほしいのではないか。

ハッキングリスクについては、きちんとするのは内部統制、こういうハッキングリスクが有るというときにちゃんと守っているか、チェックアンドバランス。金融業的な発想がいいと思っている。

3つ目がこれは、まだまだStableコインと分散取引所が出てくるには時間がかかる。

しばらくは日本の取引所はそこそこ儲かるビジネスではあると思っている。規制が厳しいと新規参入が減って、コストがかかるけど儲かる。ユーザーは日本でビットコインを買って海外で他の通貨と取引するのが増えると思う。

長瀬さんのところにはDEXの話は来るか

長瀬

Stableコインの相談も来るが、日本の仮想通貨で通貨建て資産にカウントされないようにやるのは難しいし、ホワイトリストにリストされるかも難しい。

日本でStableコインが出るにはまだまだかかる。更に仮想通貨の技術が進呈するに従って、法定通貨と仮想通貨の世界が並行するので、取引所は、その結束点になると思っている。DEXやStableコインは今後の発展のためには必要だと思っている。

国産のStableコインが実現したときに出来るプレーヤーってどこになるのか

柿澤(?)

金融系のノウハウが無いと厳しいと思っている。今後の流れではレガシー金融機関とテック系の取引所が融合する世界になる。今年は帰省が全面に押し出されているが金融のほうが技術に対する敬意をなくしていいわけではない。両者が敬意を払って融合していくのがいいと思う。

規制がまずいと思うのはダイバーシティーがない。20以上のビジネスモデルが海外ではできている。日本だとマイニングと取引所ぐらい。プラス海外だと3ヶ月でトップの取引所がトップじゃなくなっている。新陳代謝も怒らない構造になっている。

もっと新しいものが出てきて古いものが潰れるという良い循環が無くなっているのが問題。そういうのが自由にできない一律の規制は相当まずい状況かなと思っている。

沼澤(?)

いまブロックチェーンプロジェクトのマネタイズの話があったので、これだけ規制が混沌としている中で、ぜひこの中でブロックチェーンプロジェクトを推し進めている方々がいるなら、技術に振るベットするときだと思っている。ユーティリティモデルでは必ず流通が必要になる。使われるものになるか、というのが本質だと思う。

ここに規制を前向きに変えていこうというプレイヤーが居るので、技術のところを磨いていただいて、日本を代表するプロジェクトがHushHubとかから出て来てほしいと思います。