参加した聞き起こしレポートです。
起業家によるブロックチェーン時代のアプローチ
7/21 HashHubカンファレンスセッション紹介④
— HashHub (@HashHub_Tokyo) 2018年7月6日
Gumiの國光代表、エンジェル投資家の有安氏、HashHub平野によるパネルセッション。起業家、投資家の視点から見た暗号通貨、ブロックチェーン業界のトレンドや今後を、独自の切り口から分析、議論します。https://t.co/ioYaIwvPPf pic.twitter.com/TbqgsDqAQr
- 司会
- 平野淳也 (株式会社HashHub COO)
- パネリスト
- 有安伸宏 (エンジェル投資家)
- 國光宏尚 (株式会社gumi CEO)
きっかけ、どんなところに興味持っているのか
有安
昔、東京ファウンダーズファンドの合宿で会費をビットコインで集めるって言われて、8人中2人ぐらいしか取引所のアカウント持ってなかった。2012とか13ねんぐらい。それでbitFlyer開いて、これは怪しい、と思った。
國光 動画、VR、AR、仮想通貨、ブロクチェーン事業に取り組んでいっている。ブロックチェーンの30億ぐらいのファンドを作って、フィナンシェという独自プロジェクトをやっている。
昔、モナコインを紹介されて、買って、Gumiとかのゲームでモナコイン使えるようにしたら上がるよと言われて、糞だなと思った。買っときゃよかったんだけどね、真面目だから。
最近、AnyPayとかGunosyとかが僕がずっと批判しているのが鬱陶しかったのか、「持っているのか」と、「起業家が食わず嫌いでどうするんだ」と言われて、徹底的に調べ上げて批判しようと思ったら、調べていくと、あれ、おやおや、これすごくねってなって、起業家にとって必要なのは柔軟性です。前言撤回を恐れないこと。
いうときますけど仮想通貨はすごいや、世の中を変えていくと思うよ。
今特に関心持ってる領域やプロジェクト
有安
海外の起業家からコンタクトをもらって話すことがある。自分は、BetterEthereum的な下の方のプロトコルとかには興味なくて、現在流動性のないもの、権利、株式とかが流動性を出すためのセキュリティトークンとか、管理記録にコストが掛かっているものを自律的に管理すつとか、作るの大変だけど長期でかならず来るものとして、そのへんに関心があります。
國光
2007年からの10年間、起業家にとってすごい楽な時期で、スマホサービス、スマホオンリー、スマホならではのUI,UX、体験を作ったところが儲かった。
メルカリも、前からヤフオクはあったし、LINEも、メールとかあった。
大事なのは、新しいテクノロジーでしかできないことをやるのが大事。ブロックチェーンだから出来ること、ブロックチェーンならではのことを見つけていくことが大事。
有安
ブロックチェーンじゃなくてもいいよねと思うのどれくらい?
國光
99%
スマホが出て、家庭用ゲームを移植するとか流行らなかった。銀行間送金をブロックチェーンでやる必要はない、Swiftでできているから。
トラストレスで自律的に動くDecentralizedなネットワークはブロックチェーンじゃないとできない。
信用保証は円なら日銀、楽天ポイントなら楽天みたいな。でもビットコインは誰というわけでもなくマイナーで、頼まれているわけではなくて自分の利益のために自律的にやっていて、分散的にやっている。これは間違いなくブロックチェーンじゃないといけない。
僕らエンターテイミントだから思うのは、デジタルデータが資産性を持ったのは新しい。コンテンツビジネスはデータを売っていた。CDとか。でも、インターネット時代になってデータがコピーできるようになって、デジタルデータは売れなくなって、サービス業になった。僕らのゲームは無料。Spotifyとかも音楽自体ではなくてサービスを売っている。
ビットコインはただのデータなのに価値がある。改ざんできないというが、改ざんできない以上に面白いのが、コピーできない、データが資産性を持ったという、この2つが大事。
2007ねんなら、シンプルにスマホファーストだった。今まであったものをディスラプトすればいい。
いまなら、僕らがやって(投資して)いるThetaはDecentralizedな動画配信ネットワーク。今の画像ぐらいならAmazonS3とかに置いてCentralizedでも行けるけど、4k8kになるとデータ容量は100倍、になると辛い。
なら、みんなのPCとかを使えばいい。Winnyやtorrentは枯れているけど上手く言っていない。利用者がわがままだったから。自分は使うけど、人のアップロードには協力しない。
Thetaは面白くて、他の人のために端末をネットワークにつなげておくだけでトークンをもらえる。ビットコインはみんな世の中のためにやっているんじゃなくて金儲けのためにやったらうまくいくというネットワーク。こういうのが自律的という
どうやって分散型トラストレスにしているのかサービス設計を聞きたい
最終的な収益スキームは面白くて、動画配信はトークンを買って動画を投げる。ネットワークに繋がっているみんなで配信を実現する。実現に合わせて協力した人にちょっとずつトークンが付与される。
中央のAmazonにみんなで払うんじゃなくて、みんなの空いているリソースをみんなにちょっとずつ払う。動画を配信する人が払うお金は半額ぐらいになりつつ、みんなにちょっとずつ行く。
これからみんな考えるなら、シェアリングエコノミーとトークンエコノミーは極めて向いていて、PC、スマホのリソースは空いてて無駄すぎるから、ちょっとずつ出し合って、ご褒美としてトークンがくるみたいな設計。
国光さん、GumiCryptoをUSでやられている、日本初の暗号通貨領域特化ファンドプレイやーだと思う。
アメリカでシリコンバレー中心にやっていて8件ぐらい投資している。
ここからほぼほぼアメリカのSECの方向性が見えていると思っていて、全員起業する人はトークンはほぼ証券になってビットコインとかがコモディティになる。基本証券になると思ってやっとくべき。
何も問題はなくて、スタートアップは全員証券で上場したらそのルールに則っている。マザーズは3人ぐらい採用して1000万程度で投資家に開示すればいい。いまは金融庁考えているみたいだけど金商法にすべきだと自分は思っている。
証券の定義は凄くシンプル。アメリカの定義は特にシンプルで、こういうことをするぞと言うのを掲げてお金を集めるのが証券という考え方。配当出すでも、世の中変えるでもいい。そういうのを掲げてお金を集めるのは証券。基本証券なんだから。
規制ができている理由はシンプルで、投資家保護。こういうのをするぞと言って、本当に嘘を言っていないかは一般の人間にはわからないので、適格投資家だけに未上場の間は限定して、証券会社や監査法人が入るから、もう嘘じゃないから、一般投資家も買ってOK、となるルール。
きっとそうなるし、そうなるのはプラスで、いままで個人投資家しか入っていなかったけど、グローバルでは個人投資家なんてミクロみたいなもので、個人投資家の1000倍以上機関投資家は資金を持っている。
ルールが定まればそういうお金が入ってくる。個人投資家に支えられていたのが機関投資家入って大きくなる。年内にアメリカの規制は決着が尽くし、証券として扱うだろうから、起業する人はトークンモデルをこねくり回して現状の規制に無理やり合わせるんじゃなくて、証券前提でちゃんとトークン設計したほうがいいと思う。
有安
日本で規制が固まるのはいつごろか
國光
投資先のところが、弁護士と会計費用で4000万ぐらい使ってる。
法律的な整備はトークンモデルとかじゃなくて株式会社と同じでインサイダーをしないとか適時開示とか、投資家保護を整えていけば法律面は整えられると思う。会計も凄まじい戦いがある。東証、金融庁、弁護士事務所との調整が続く。
年内は会計も決着がついて日本でもICOが出来るようになるんじゃないか。一般投資家に最初の時点で売るんじゃなくて、最初はVCや機関投資家に売るような形で、ちゃんとなってから上場するんじゃ、と、少なくともアメリカは。
日本は半年遅れ、1,2年ぐらいで整うんじゃないか。ちゃんとサービス開発している人なら、ちゃんとやったら1年ぐらいかかるだろうから、無理やりこねくり回すんじゃなくて、今からベストな形を作って、時を見計らって、そのへんで出せばいいんじゃないか。
ファンドから投資をするときの投資の選定、SF界隈のトークンモデルの評価手法、クリスという人のブログとか有名だと思うが、どうやっているか。有安さんとか投資考えるだろうし動やっているのか。
有安
僕そんなに投資できていなくて現地でインナーズサークルにはいってないと投資できない。ユースケースできていないものに投資するの心理的に難しい。
國光
起業家的に調べれば調べるほど、暗号通貨領域は、半分悪い意味で、普通じゃない。
ベンチャーは普通、会社の規模も小さいし大手とやり取りしたら負けるから、出来る限りステルスでやって大手が気づいたときにはもう遅いという形で物事を進めるのが普通。それまでに特許とかも取る。
なのにICOはホワイトペーパーで全部晒すし、だいたいオープンソースで、どうやって大手と戦うのかほぼほぼよくわからない。
イノベーションを促進させているとも言えるけど儲かる形にできないから厳しいんじゃないかとか、差別化を見出すなら、チームや組織力だと思う。でもGoogleやFacebookが入ってくると終わる。できるだけいいチームを探すのが大事。
SFや北京などのインナーサークルに入るのが大事。日本とかに入ってくるのを協力するとか、アジアは任せてくれというとインナーサークルに入りやすい。
ファンドは暗号通貨系強かったけど、SF系が巻き返しを図っている。Coinbase、アンドリーセンホールディングスなどのマフィアが重要になるだろう。
ICOという手法によって今までの資金調達をVCで閉じられていたものがオープンになる、と一般に言われていた時代もあるが、新しくインナーサークルができたりしているというお話でした。そのへんをどう捉えているか
有安
(ICOが)是正されると思っている。プレセールで買って、クラウドセールで売っちゃうみたいな、誰かが損する形は無くなっていく。どんどん健全になっていく、意外と黎明期が短かったなと思う。
國光
クラウドセールで一般の人が投資するのは間違っていると思っていて、詐欺師が儲けるための仕組みでしか無い。
ベンチャー投資(の鍵)はチームにあって、チームのバックグラウンドをチェックしたり、弁護士確認したりして、彼らが作業しないなら訴訟するみたいなことをするわけだから、そこまでちゃんとできる人が投資して、ちゃんと上場できるようになってから一般の人が買うみたいなのが正しいと思う。
既存の制度では、初期の方に一般の人が入りにくいのが問題だった。(ICOでは規制されたとしても)証券取引所上場よりは早い段階で一般の人が買えるようにはなる。
LP(生命保険や銀行のお金が入ってきている)が一旦生命保険に入って手数料を抜かれてファンドにはいるというのがディスラプトされて、直接ファンドにお金が入るようになる。そこは目利きになるところ。
みんなから金を預かって投資されていたところが、みんなから直接投資されるようになるのが大きなところかなお思う。
後半でこれから3年、5年の視野でどうなるか展望
有安
すごいポジティブだと思っている。相場が凹んでて国内でマイニングしているところとか、Dapps作っているところが外行こうとしてたり詐欺師も撤退していたり。
必ず冬は訪れて、頑張ったプレーヤーが春にプロジェクトをローンチ出来る。今このタイミングで出来る人は幸せだと思う。技術も法律も変化していてそこにはチャンスが有る。学生で企業を検討している人は絶対起業したほうがいい。伸びている市場を選択していく
國光
規制が入ってくるのは本当に良くて、入ってくるお金が桁3つぐらい違う。
だいたい今年ぐらいには決まっていくのでちゃんとした形での市場が起きてくる。
ブロックチェーンじゃなくても出来ることをやるのに何の意味もない。ブロックチェーンじゃないとできないことをやるのに意味がある。トラストレス、Decentralized、デジタルデータが価値を持つというところは絶対他ではできないので、やっていくことが大事。
Financie
新しいブロックチェーンを使ったFinancie、βテスト中です。
VALUの進化系みたいなことをしたい。やってみないとわからないから、日本と米を除いてローンチしてみる。いまはβテストで触ってもらえます。でも本リリースしたら日本では使えなくなります。
人がトークンを発行できるのが一番面白いと思っている。産業革命とかあったが、株式会社ができたのがすごく大きな発明だと思う。株式会社の登場で、でみんなリスクが取れるようになった。
それ以前は事業を始めようと思うと、自分でお金を用意しなきゃいけなかった。貴族しか事業ができなかった。
でも株式会社の登場で、未来の期待値でお金を集められるようになった。
ところが、個人は全然そうなっていない。若い子が科学者になりたいスポーツ選手になりたい、親がお金なければできない。
それが、期待値ベースでお金を集められたらいいじゃんと、その部分を圧倒的にパワーアップさせた。VALUは透明性・流動性・インセンティブ設計に問題があった。
Ethreumのスマートコントラクトで、Bancorプロトコルで、Binanceのトークンモデルを参考にしている。本番始まると日本人使えなくなってしまいますが。。