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やさしいDeFi #12 MakerDAO、CompoundなどのLendingをマニアックに勉強会

defi.connpass.com

やさしいDeFi #12 マニアックlending - Google スライド

MakerDAOの段階的分散化

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DAOの概要

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ソフトウェアプロトコルが管理している組織。

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持続可能なMakerDAOへの取り組み

コミュニティがMakerプロトコルを管理する役割を受け入れられるようにする

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Maker Foundationは解散する予定。

Makerの分散化は中核的な原則。

MCDローンチされてから分散化を加速させてきた。

長期的に持続させるためのポイント

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色々準備しないといけない

持続可能なDAOの中核

そのために柱を3つコミュニティが決めた

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次回詳しく説明します。

プロトコルのセキュリティと長期的なメンテナンス・開発には分散化された労働力が必要。

選出された有償貢献者にはプロトコルからお金が支払われる。根本的に透明で水平的な組織を実現する。

MIPs:Maker改善提案。Core Governanceを作るフレームワーク。既に始まっている。

Vote Delegates:投票代理人。MKR保有者の代わりに投票する。

今投票の問題が結構あり、Vote Delegateはその一つの解決法としてこれから進めたい。

皆あまり投票しなかった?

そうですね。少ないです。MKR結構価値が高いので、自分のWalletに移動するのが面倒。

投票率は数%とか?半分とか全然行かないですよね

そうですね、健全なエコシステムのためにもうちょっと上げていきたい。

いまだとFarmingに使っている人もいるだろうし、自分のウォレットにもたないといけないから難しいですよね

1番投票率高いので10%未満

おそらく今後MIPでそのへん改善する話も出てくるかもしれないですね

Vote Delegateですよね、それが手っ取り早いと言うか、議論を刺激できるかもしれない

Vote Delegatesは小さい規模のMKR保有者がガバナンスに影響を与える方法の一つです。

プロセスが簡単になれば、もっと投票する人が増えていくと思うので。

mkrgov.science

Kyber Networkでも投票があるが投票率が高い。それはなぜかと言うと、KyberNetworkの収益分配を投票したアドレスにしか分配しないから。MKRは報酬がMKRのBurnになっているので、投票しても投票しなくても変わらない。

今後MIPで投票と報酬、burnのところを変える案も出るかもしれない

先日Vote Delegatesの解決方法をFoundationで考えていて、その答えは今の所わからないので聞いてみます。

Offchain Votingの予定は?

Offchain Votingできればいいですね

Compoundなどレンディングで大切なパラメータを詳しく学ぶ

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Compoundは分散型レンディングプロトコル

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貸したい人はプールに入れる。借りたい人は担保をプールに入れて借りていく。プールを育てていく。

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世界中の人が一つのプールに貸したいトークンを入れていく。

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プールはコントラクト。

どんな身分でも居住地でも誰でもインターネットさえあれば使える。というのがDeFi。

借りたい人は金利を得ることができる。

借りたい人はプールから借りていく。その代わり金利を支払う。

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実際に見てみましょう

compound.finance

現在25億ドル分ぐらい世界中からプールに入れられています。

そこから借りられているのが14億ドルぐらい。11億ドルぐらいがプールに残っています。

25億ドルのうちの60%が、DAI。

入れている方も借りている方もほとんどDAI。

DAIのちゃんとした現物ではない。COMPファーミングをするためにDAIを借りてDAIを預けて膨らんだ与信枠でさらにDAIを借りて、COMPトークンを稼ごうとする人たちがいるためにそういうことが起きています。

なので、リアルな数字ではない。

COMPトークンは使っている人に配るので、借りたら普通は金利がかかるが、あえてぐるぐるDAIを貸すしてDAIを借りている。最初はBATで起きて、その次DAIで起きて、とか、何度か繰り返している。

一時期BATに対してcBATの方が圧倒的に時価総額が高い。2重カウントしている。

これで破綻しないのかと言うと、今の所破綻していない、ちゃんともとに戻っている。無いものがあることになっているのではなくて。カウントの仕方で、システムの外に出ていくお金が増えているわけではない。

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いまDAIを貸したら年利2.92%、借りるなら3.97%。

どこの誰かしらない人に貸すので過剰担保になっている。担保をいれてくれたら借りられる。

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貸した資産はその時点の金利とともにいつでも引き出せる。いつまでに返してというのも無い。

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Compoundに貸し出すとcToken(債権トークン)がもらえる。自分のDAIは貸してしまったけど、DAIを返してねという債権を持っていて、金利とともに値上がりする。cDAIを返したら現物のDAIが金利分とともに返ってくる。

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cTokenの注意ですが、これが権利書なので、これをなくすと、つまり送ったり売ったりすると、自分が預けたトークンの権利はなくなる。借金がある場合には、過剰担保以上にはなくせないようになっている。

利用にあたってのリスク

コントラクトのハッキング

焦げ付きによる不良債権が発生する場合がある。過剰に担保をもらっているにも関わらず返ってこないことがあり得る。

Compoundの金利モデル

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金利は需要と供給で自動で決まる。借入額、貸し出し額の比率で決まる。借りたい人が多いと金利が高くなる。

APYで表示される利率はあくまで「1年続けば」。

1ブロック=15秒ごとに変わる。APYを365で割れば1日の利息がわかる。1日ではそんなに大きく変わらな無いのでそのぐらいと思えばいい。

金利モデルはガバナンスにより変更可能。

大事になってくるのがUtilization Rate

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これがどういうことか。

DAIの例。このモデルで決めていくよと言うもの。

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プールから3%しか貸し出されていなかったら金利は 0.13%

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80%から急に上がっていく。それ以上借りられるとプールからなくなってしまうから。

貸し出し0%のとき、誰も借りていないので、金利はつかない。プールに入れる意味がない。

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50%とか80%ぐらいが理想

行き過ぎで100%になると、プールに無いので返して欲しい人が返してもらえない。誰か貸してください、借りている人返してください、ということで金利が高騰する。

ファーミングが流行ったときは30%でもよそで使ったほうが儲かるみたいになってUtilization Rate 100%近いことがあった。

Compoundでは実際引き出せなくなったことないですよね?(v1ではあったとのこと)AaveでKNC貸していたら99%まで借りられて引き出せなくなった事がある。

フォーラムで急にカーブを上げたほうがいいという事になってからターゲット(DAIの場合80%)から急に金利が上がるようになっている。

高すぎるUtilization Rateは何が問題か

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たとえば、DAIを借りていた人はみんなUNIを担保にしていたとする

Uniswapが開発をやめるなどしてUNIが暴落する、誰も買わずに0円になるとする

DAIを借りていた人は、担保を返してもらうためにDAIを返す必要は無い

DAIを貸していた人にはDAIが返済されない。

担保が1種類しかないということは無いのでこんな事は実際には起きないが、極端な例としてはこういうことがあり得る。

Collateral Factor

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ETHのCollateral Factorは75%。100万円分のETHを担保に入れると、最大75万円分借りてもいい、というもの。75%を切ると清算されるのでそこまで借りる人は普通いないが。

貸すときは、APYだけでなく、自分が何を担保に貸しているか意識すること。

貸したけど何を担保に貸しているか知りませんというのは危ない。

ETHで借りていく人がいるのだなとすると、75%の担保で貸しているということになる。

Compoundにリストされている銘柄が担保にできる銘柄。ここに変なトークンが入っていれば危ない。

たとえば、Tether担保には絶対貸したくないという人がいるかもしれない。

TetherのCollateral Factorを見てみると0%になっている。これならTetherを信用していない人でもDAIを貸せる。

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C.R.E.A.Mの例

どんどんいろんなトークンを扱っていくスタイルのCompoundみたいなプロジェクト。

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担保は清算するときに売れないといけない

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C.R.E.A.Mで起きたこと

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$Swagが追加されて、わずか2分後に$3.5M分のトークンを担保に貸し出し、$1.6Mの他のアセットが借りられた。

担保率限界まで言っているのですぐ精算される。

レンディングサービスを使って5掛けで「売った」。

流動性が低いトークンはたくさん売ろうとしても売れないが、レンディングで担保に入れることはできる。かつ参照先がわかれば価格もいじれる。

ただしわざと清算させたという説もある。価格はその後回復したらしい。清算も一応できた。

FTX社長SBFが自社トークンを担保にYFIやUNIを借りてSellしたのがオンチェーン解析でわかって話題になったこともあり、担保がいかに大事かわかる。

たくさんトークンが扱われていると便利だが、リスクも有る。

ハイリスクハイリターンだが銘柄が揃っているので、リスクがわかっていればいいのかもしれない。

というわけで取り扱いアセットとCollateral Factorは監視したほうがいい(ガバナンスで変更される可能性がある)。

ガバナンスがだめだとパラメータ変えられたり変なトークン追加されたりするので、いま時点の状態じゃなくてガバナンスがちゃんとしているかも見ないといけない。

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最後、Reserve Factore

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これはレンディングの保険。安全のために貯蓄しているもの。

借りていた人が金利を付けて返済する。その金利の一部がReserve Factorとして貯められる。

Reserve Factorの分だけ保険がある。Reserve額が増えるとそれなりに攻めて貸しても大丈夫かなと考えられる。

今後ガバナンスでCOMPホルダーにこの辺を分配しましょうということもあり得る。

まとめ

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ネットワーキング兼クイズ

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