参加した聞き起こしレポートです。
セカンドレイヤー、クロスチェーンが拓く新しい暗号通貨エコシステム
日本デジタルマネー協会 理事 大石哲之
個別の技術というより少し大きく未来に視点を向けたいと思います。
5年、10年どういうところを見て行けばいいか
Invisible Economy & Layered Blockchain
暗号通貨を何に使うんだと、みなさん言われると思う。僕らが今見えてない部分に暗号通貨はもっと使えるのではないか。
今日、皆さんは9000円はらってここへ来て、僕の話を一方的に聞いているわけですが、Twitterではどんな有名人にもただでコンタクトしてクソリプを送れる。ある意味、クソリプのほうがコストパフォーマンスが高いわけですね、クソリプには価値があるのではないか?
Facebookになにか話を書くといいねがついたりします。感謝の気持ちなどをやり取りする。これって何か価値が発生しているのではないか。経済に入っているか入っていないか。
いままでこういうのはただの気持ちのやり取りと考えられていたが、これがいわゆるひとつの目に見えない価値がやり取りされていると見ることも出来るのではないか
アップルの規約です。
Appleが収集するクラウドソース位置情報データは個人を特定しない形式で収集されます。 デバイスの位置情報サービスを有孔することによって、...
いわゆるビックデータ。みなさんが持っているアイフォンがソースとなってデータを提供している。自分はデバイスをもって動いて、価値を生んでいるのではないか。なのにデータはAppleだけが持っている。
ココには見えない経済がある。
- クソリプ経済
- 気持ち経済
- データ提供する経済
...これらに見えざる経済と名前をつけています。
いまお金にならないけれども、すでになにか価値があるやり取り、データでも気持ちでもやり取りが、実はお金でやり取りされているよりも多く存在しているのではないか。
評価経済やトークンエコノミーと言われて、なんとなく、どうもお金じゃないところで価値が生まれていて、そういうのを、むしろお金のやり取りよりも多く人々と交換しあっているのではないか、というのを体験したことがあるのではないかと思います。
見えざる経済の話。以前自分もこのスライドで価値に価格の付かなかった領域へのインセンティブ設計について書いたけども、これは未来。 https://t.co/1TMHY6SdS0 #HashHub2018
— 松本 勇気 (@y_matsuwitter) 2018年7月21日
問題は法定通貨とその取引システムが、そういう価値をやり取りするのに非常に向いていない。中央集権でコストがかかる、即時性がないしグローバルで使えない。こうしたエコノミーを媒介できるものになっていない。
いままでお金にはならなかったけど、たしかに価値があるものが存在している。しかしそれを取引するシステムは中央集権的に執り行うとコストがかかりすぎる。そんな役割を非中央集権的に低コストで実現するのがブロックチェーン技術。(大石さん)#HashHub2018 pic.twitter.com/fbX3ycSVPy
— 浦田 勇樹@ブロックチェーン仲間を募集しています (@yukiUrata2) 2018年7月21日
もし仮に世界中の人々が暗号通貨を使うようになったとしたら、パンやコーヒーを買うよりも、今まで見えなかった経済、法定通貨だったからやり取りできなかったことを、暗号通貨によってやり取りすることが出来るようになるんじゃないか。
トークンエコノミーやVALUもできている。今まで価値としてやり取りできなかったところを見える化することが起きる可能性があると持っている。
その候補。
99年ぐらいのインターネットのときに、今のスマホとか想像できなかったと思います。
おそらく今想像するものと全く違うものがやり取りされていると思います。
- プライバシーのある取引のためにコストがかかる
- アイデンティティや思い出の証明
- レピュテーションの視覚化
- ビッグデータを購入する
- データ提供する
- 受発信する情報の範囲をコントロールする
- コンピューターリソースをシェアする
- AIとインターフェースを取るため
- トークンを発行するため
- いいねや好意を示す、応援するため
HashHubカンファレンスの締めは大石さん!#HashHub2018 pic.twitter.com/A0fl1IDO8m
— Ryo Tanaka 🐼⚡ (@RyahooBB) 2018年7月21日
いままでお金を払ったりやり取りすることができなかった領域で、今まで経済として認められていなかったところに経済圏が出来るというお話です。
前提として、インターネットは情報をグローバル化して垣根をなくしました。
SNS、シェアリングエコノミーによってリソースなどがシェアできるようになってきた。AI、IoTが出てきた。それを媒介する普遍的な価値は、どこかの国が発行したものよりも、中立分散検閲無く使えるものがいい、ナカモトサトシによりそれは発明済みである。
そしてヴィタリック・ブテリンの発明で、スマートコントラクトで複雑な処理ができるようになってきた
これから必要なのは、非常に小さいトランザクションを速いスピードで交換するマイクロペイメントの技術、Ethereumのスケーリング(スマートコントラクトのスケーリング)、クロスチェーン。
いままではお金になっていないが、価値のあるものが取引される経済圏が普及するのにキーとなるテクノロジー
— 浦田 勇樹@ブロックチェーン仲間を募集しています (@yukiUrata2) 2018年7月21日
・マイクロペイメント
・スケーリング
・クロスチェーン#HashHub2018 pic.twitter.com/KW4EycM2fj
今の所ブロックチェーンは相互運用ができない。個別のチェーンに閉じこもっている。これが上手く連携して別のことが出来るようになるということが必ず必要。
そのためにいま、非常に重要な技術が発展しているという話。
バブルの崩壊の後技術が崩壊するというのは歴史的な話で、インターネット・バブルが終わった後にGoogleやFacebookができて今につながっているが、仮想通貨の盛り下がりの後、一番盛り上がっているのはLayeringの技術です。
色んな人がいろいろ言っているので正解はない。いままでブロックチェーンの層でやろうとしていた。ここに別の層が重なっていく。Lightningなど。
インターネットも階層的なアーキテクチャでできている。ブロックチェーンはチェーンだけあって、しかもいろいろあって相互に運用できない状態。これをもっと層を増やして、相互にやり取りできるようになることが必要です。
基本のレベルの部分がもっと進化することでより大きなことが出来る。新しいエコノミーを支えることが出来るというふうに思っています。
これがいま、世界中の開発者によってベースレイヤーが作られているということです。
Layer2と言われているところで、ペイメントチャンネルが動くようになる。
ブロックチェーン同士をつなげるPolca, Interchain, Cosmosなど。
サービスレイヤーではOracleといわれる、価格の情報や、スポーツの勝敗などを外から持ってくるといった話とか、そういうレイヤーがあります。
これらが全て有機的につながってこそ新しいシステムが機能する。
10年先の経済を見たときに暗号通貨がどう使われるか、どういうチャンスがあるか、どういうものを開発していて、どういう技術のベースを作るかが大事。
どれが重要か想像して、行動する、開発をする、プロトコルを作る、コミュニティに参加する、どういうコインを買うか、ということに役立てていただければと思います。
なぜこういうレイヤーアーキテクチャが重要か、ちょうど記事があったので見てきた。。村井純さんと伊藤穰一さんがブロックチェーンンを使い捨てのバズワードにしてはならないと呼びかける、という記事がありまして、そのなかでレイヤー構造が重要だという話をしています。
インターネットも昔、一社がプロトコルを全部提供していたが、これからはレイヤリングして機能が分割されるだろうと思っている。プロトコルのレイヤを分離してそれぞれ独立に進化できるようにしたことが重要。
ブロックチェーンをどうやってレイヤー分けして、それぞれ独自に進化できるようにするかが今後の課題。
それぞれのところが上手く連携し合いつつ、競争し合いつつ、進化をとげることで、システムが良くなっていくんじゃないかと思います。
きょうは、レイヤリングの話が多いと聞いていましたがあまりなかった。
ここ1年2年ぐらい、Layer2は必ずキーワードになると思います。今までのお金、法定通貨でしかできなかったエコノミーを作ることで暗号通貨が成長することができれば、面白いものが現れるのではないかと思う。
ピンときた人はこの業界にもっと入って、開発したりコミュニティに参加したりすると楽しいんじゃないかなと思います。