寄付窓口はこちら

パネルディスカッション #hicon2018 A-6

hicon2018.sched.com

  • モデレーター
    • 町野
  • パネラー
    • CTO, DMM.com, 松本
    • CPO, Mercari, 濱田
    • CEO, LayerX, 福島

実験的な取り組みとして、今回のためにアプリをDMMさんが用意しました。

質問を受け付けるアプリを試します。

DappなのでログインはMetamaskなどのDappブラウザを利用する。

採択された質問には0.05ETH=1200円ぐらい?になります。


f:id:niwatako:20181110155605j:plain

一線で活躍されている経営陣の方々に来ていただきました。Hi-Con、去年ぐらいから非常にポピュラーになりましたがいろんな課題も見えてきたと思います。

どのような問題が、どう解決され、将来どう使われているのか、議論を深めていければと思います。

簡単にで結構ですが自己紹介をお願いします。

松本: DMM.com CTOです。それは最近で、いままでLayerXやGunosyにいました。ブロックチェーンの研究をしています。

濱田: CPO(プロダクトの責任者)です。メルカリの未来、1〜5年の未来を見ながらプロダクトや組織を考えている。Mercari X、ちょっと今の感じだともう3,5年先かと思うがそれをいかに早くするかに、こういう生の声、開発者と交流して、ブロックチェーンがどうなっていくかをしれたらと思って参加。

福島: 松本くんと一緒にGunosyのCEOをやっていたが、Layer Xでブロックチェーン専業に、投機や投資ではなく、スマートコントラクトが技術的な部分もそうだが、ビジネスにどうコストを削減・効率化するのか、信用コストをどう下げて今までになかった経済を作れるのかに注目していて、実応用例はなかなかないが、そこを作っていこうと頑張っている。

町野: お三方がEthereumをどう知って興味を持って、どういうふうな関わりを始めたのか、エピソードがもしあれば

松本: 注目し始めたのは昨年夏ぐらい。もともと最初に触ったのがBitcoinが出てきたぞ、という起業家界隈で話題になってBitFlyerがでてきたころ、ちょっとだけビットコインを買っていた。買ってすぐに売ってなるほどで終わった。取引所しか触ってない。それからしばらくして、去年夏頃に実はしばらく育休でお休みをいただいていたが、手が空いた時間に論文をいろいろ読んでいた。そこでSatoshi Nakamotoの論文読んで、天才、なんて美しいんだとおもって、メンバーといろいろろんぶんをよんで、非中央集権、Ethereumが盛り上がっているということで基礎から研究してGunosyの研究室を始めた。

町野: Satoshi論文あの短さで美しいですよね

濱田: 僕ブロックチェーン触るの早くて、6年ぐらい前、Goxのころに興味あって、LitecoinがあってCPUでマイニングできるらしいということで意外と惚れた。1ヶ月で100円ぐらい惚れた。制作会社やっていて、ホスティングサーバーあるがリソースが使われていなかったが、開いてるスペースでマイニングしようと思ってスクリプトは知らせて、どれくらいかペイできるかと思ったら意外とペイできなくて、回収率2,3%、それでサーバー重くなったとか言われたらあれなのでやめた。 それが最初にマイニングの仕組みとかに触れた機会。しばらく興味なかったがアメリカへの送金が安くなるというのでBitcoin使ったりしていたが、CoinbaseでEthereumが入って、その時買って、しばらくしたらめちゃくちゃ上がって、ちなみにRippleも初期に買っていたが、アカウント外交されてそこで手続きされないと消えますと言われて、無視してて消えた。 結構そういう、ブロックチェーンはどちらかというとお金として送金にも使ったりして、便利でなんでみんな使わないんだろうと思ってて、そこから去年級に来て、技術的な部分もいろいろあって、また見直したというところ。

福島: 興味を持ったのは2014年(?)。取引所作りたいという人が居てBitcoin教えてもらった。Ethereumは知人が取引所に努めていて面白いらしいぞと聞いたが、送金意外にも使えるビットコインみたいなのがあると頭の片隅の残っていた。深い興味を持ったのは、モバイルインターネットが始まったとき、今の大きな企業が集中して立ち上がっていたときみたいな、テクノロジーとビジネスの交差点に立てるところを探していて、Gunosyブロックチェーン触っているときにこれはものすごいものになるぞと思った。

町野: 去年とかICOブームで結構Ethereumがトークンを作る手段、資金調達ツールと捉えられているふしすらあるのではという状況だったと思うが、法的な話、詐欺、技術的なスケーラビリティの問題、プライバシー、ユーザービリティなどいろいろ再確認されている状況だと思うが、実際向き合っているお三方にとって特にどういった点に課題を感じているか

松本: Twitterでもさっき書いたが、ブロックチェーンはLayerに分けて考えると、ハッシュチェーンとして監査がやりやすい、その上にクリプトエコノミクス、人間の経済合理性を使ってインセンティブ設計とかをして、その上にスマートコントラクトを載せ対している。 ステートが全世界に複製されている状況でどこまでスケールできるのかという問題はある。世界中のトランザクションをかき集めるというのはどういうことか、本当に達成可能なのかの限界は見極めないといけないし、ここ数年のスケーラビリティ対策は100倍から1000倍のものだと思っている。人間が本当に合理的な生き物なのか、サブシステム間で辻褄が合うのか?などがある

濱田: インターネットが出来たときにいきなり動画サービスやろうとは思わない。テキストでメール送るぐらいなら出来た。今はブロックチェーンは資産を送るぐらいは出来る、ここからいろいろなものが出来てくるので、どういうサービスを提供するかは、徐々にお互い解決していって、もっと早くなれば動画、もっと早くなればVRみたいなインターネットのような変化がこれからどんどん起きていくと思う

福島: ビジネスとしてみている上で課題は、現実との摩擦。アセットみたいなものを扱いたいときに、ビットコインデジタルネイティブに生成されたものなので扱いやすいが、現実のアセットを扱おうとしたときに同運用するかはすごく課題。現実的な解決策は出てきているので注目はしています。それからコンプライアンスの自動執行が可能か、それが本当にコストを下げるのか注目している。登記簿と紙の登記簿がずれる瞬間がある、それをどう解決するか、それが出来ないとグローバルには普及しない。 エンタープライズ向けの方と話しているのは、データをパブリックに載せたくない。企業のデータ、センシティブなデータを本当にブロックチェーンで扱うのか。zkSNARKSとか、スケーリングじゃなくてブロックチェーンに利用する、アクセス権をコントロールするのか、そもそもデータを秘匿するのか、そういったところが決まっていく、リアルな世界でどうするのと言うのが求められているのではないかと思う。

濱田: ああいった世界観を実現したいと思うが、どこから出来るか、一部ずつという感じになると思っています

松本: 法律が関わってきた瞬間にオーソリティが必要ということになって、そこで発生する議論がそれこそオンチェーンであるべき

福島: そこが出来なければ最初から全部オフチェーンでやってしまえばいい、そこができれば本当にコストが下がると思う

松本: 証明書認証局などをDecentralizedにしよう、オーソライズドされなければならないところに適用していく、スキーマを見つけていくということができればいいと思う

町野: 会場の質問を見ていきましょう

福島: 「ブロックチェーンを活用したデータベース設計としてコストメリットが出ているケースはありますか」というの、基本的にDBとして見たとききついと思っている。ブロックチェーンはルールの置き場、透明性を保った上でのルールの置き場、信用コストを下げるかもしれない、STO盛り上がっているのは株式のセカンダリ取引を意識している、詐欺がむちゃくちゃ多い、そもそも株持ってないみたいな。Ethereumが登記簿に使えたら、誰がもっているのかパブリックチェーンで透明で、信用コストが下がる。でも純粋にDBと比較したとき

松本: その変動位で電力消費量を計算した人いますか、日本のデータセンター全部より多い、やっていることは毎秒数重ぐらいの資金のやり取り。相当にパフォーマンスが悪い。プライベートブロックチェーンはそこで普通のDBと互角に晴れるかもしれないが、それで何がコスト良いのかというと、いまのAPIを置き換えようという、全銀ネットみたいなAPIはどうしてもレガシーで運用され続ける。最大公約数で運用されるので。でもブロックチェーンで出来たから置き換えよう?というきっかけで使われるからコストダウンと言われるけど、MySQLとかクラウドスパナ使ってみようという話になると、そちらとコストは変わらないと思っている。

濱田: 「オラクルの現実的な解決策とは」予測市場のAugur、雨が降るか晴れるかでみんな賭ける、明日になって、買ったほうがお金もらえるみたいな、それは事実をどう確認しているかは投票になっている。嘘の投票をすると奪われるみたいな。そういう解決の仕方あると思っている。

松本: クリプトエコノミクスに登場する投票は結構危険だと思っていて、よくある文脈はちょっと違う問題でいうと、ETH時価総額と、載っているトークンの時価総額と、トークンのほうが遥かに高額になると、不正な投票をするモチベーションになる。系ひとつでは合理性が保てているけれど、系をまたぐと破綻する場合がある

福島: オラクルもパターンがあって、このあとLTで弊社のタカギワが話すのでぜひ聞きに行ってください。トラストトークンとかに最近注目している、信託を使うと解決できるのではないか。TetherがUSDいくらもっているかはいくら投票しても意味ないので違う形で保証する必要がある。投票のメカニズムで解決するものもあれば、別な形で解決できるものもある。このへんは難しいが、アセットはこうすると良いんだというのは結構見えてきていると思っています。

松本: 「これからのブロックチェーンを考える上で、適切な問いはなんだと思いますか?」何がDecentralizedであるべきか、この状況で何に適用できるかを考えること

濱田: 曖昧さをいかに受け入れられるかも重要というのを他の文脈で聞いたがブロックチェーンにも有効だと思う。どこまで許容できるかは結構問かと思っている

福島: ビジネスという視点では、FatProtocol好きで、Decentralizedなプロトコルの上にできる、セントラルなアプリケーションだと思う(?記述自信なし)。コンプライアンスの自動執行としてセキュリティトークンとかは増えていくのではないか。価値交換の間に挟まる信用できない奴らはなんなのか、そこに信用を与える方法はなにか。というのは面白い。

濱田: 「「法的問題で日本ではBlockchain系のサービスはやりづらくなった」というような風潮があると思うのですが、今後ロビイングなどで改善されると思いますか?」

福島: やりにくくなったわけではない。ブロックチェーン開発、パブリックプロトコル開発は何も規制されていない。日本の場合資金決済法の仮想通貨というのがあって、交換性をもたせると仮想通貨取引所の交換業が必要だが、ある程度開発が進むまで必要ない。そもそも論として、人材レベルや挑戦する人の数が少ない。もっといい環境はあると思いますが、前提としてスタート実は切れるということを知ってほしい。

濱田: 日本はまだあやふやな立ち位置。アメリカも中国も禁止し始めて日本が重要なポイントになっている。日本の強みになることもあると思っている。ロビイングをしっかりやっていくことで政治家も注目しているので方に遵守したやり方で出来るやり方はあると思うので、悲観的に捉える必要はないと思っている。

松本: この一年で儲けようと思っている人はやめたほうが良い。1年でなにかじゃなくて、3年5年で成果をあげようということであれば、何らかのサービスを作ってというのはあり。そこに大きな市場はあるだろうと思っているので。

福島: 取引所とICOが難しい、コード監査もエンタープライズ向け開発も出来るしパブリックチェーン開発も新しいトークンスタンダードを出すことも出来る。

松本: 「ユーザーリテラシーを高める方向性と、バックエンドでブロックチェーンを使い表層はユーザーにわからないのと、どちらがいいですか」基本的に後者だと思う。セキュリティの考え方として、ユーザーはリテラシーを持たなくても、Gunosyやメルカリを触る瞬間と体験が変わらないべきで、その間をエンジニアが使いやすくしていく、それがサービスの競争、ブロックチェーンに載っていないものに負けるなら結局流行らないので、そこを解決する。

福島: 超マス向けサービスなので、Facebookログイン挟むと半分居なくなるんですよ。Metamaskとか挟んだらどれだけ居なくなるのか。Dappsブラウザ作ったとしてもGas代かかるとか。

濱田: UXどう実現するか、Merdari Xも先にアプリ作っちゃってどう裏側で実現するかというアプローチ

町野: 一言ずつメッセージあれば

松本: まだまだブロックチェーンの世界はR&D、より深いプロトコルでEthereumの改善とか取り組んでいただけると嬉しい

濱田: メルカリのミッションは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」。これを実現するにはブロックチェーンが一番早いと思っている。Mercari X、日本なら円でいいじゃんとなるが、アフリカの人に車を売りたかったら決済どうするのと言うのを解決する唯一の方法だと思っている。いろんなレイヤーで解決していかなければならないので、ぜひメルカリに来てくださいというわけではないですけど、一緒にお話しながら盛り上げていけたらいいと思います

福島: 決済ぐらいしかユースケースがなかったところから、稼げる会社も出てきている、インターネットも最初は何に使えるのですか、みたいなところから、研究していったところがサービスを確立していった。そういうことしていきたい人にLayer Xにぜひ来てほしい。それから、この世界では、何かに属している感じがしない。オープンソースに普通に参加していて、どこの企業ですかというのが無意味だと思っていて、言語、国の壁など無いので、そういうこあなところに日本の優秀な頭脳が入っていくと、もっとブロックチェーンの見え方が変わるよねと思うので、バグ見つけたとかでも良いのでコミットしてみると世界が変わると思います。