寄付窓口はこちら

How to fix democracy with blockchain どのように民主主義をブロックチェーンで修復するか? #BCJ2020

twitter.com

f:id:niwatako:20201024113915p:plain

まずはじめに一つ質問します。とても大切な質問です。

f:id:niwatako:20201024114014p:plain

あなたはまだ民主主義に期待していますか?

f:id:niwatako:20201024114106p:plain

先日のトランプ大統領と売電大統領のディベートは記憶に新しく、誰が見てもひどいものでした。

小学生同士の言い争いのようでした。それでも我々は民主主義をしなければなりません。

なぜ優秀なCEOを大統領にしないの?と思う人もいるかも知れません。

f:id:niwatako:20201024114228p:plain

確かにイーロン・マスクは優秀です。テスラの株価はうなぎのぼりです。素晴らしいことです。

しかし、民主主義は会社とは全く別物なのです。

もしあなたが国家運営をしていたとしても、あなたは国民を解雇することはできません。

法人なら無能な社員は解雇されるかもしれませんが、国家においては納税しないことは何ら国民の権利を侵害しませんし、してはなりません。

また、みながプロトレーダーのように聡明なら為政者として適切なCEOを選べるかもしれませんが、現在の株式市場を見る限りそれは難しそうです。

f:id:niwatako:20201024114529p:plain

CEOに政治を任せるのが非現実とはいえ、「錆びた車(今の民主主義)」を使い続けたくはないですよね?ではどうしましょう?

f:id:niwatako:20201024114547p:plain

良い民主主義を定義して、それを実装する。それだけです。

f:id:niwatako:20201024114658p:plain

民主主義とは何なのか、私と一緒に学んでいきましょう。

f:id:niwatako:20201024114757p:plain

我々の愛する自由とは、民主主義の前提です。

なぜなら自由権なくして健全な民主主義は運営不可能だからです。

f:id:niwatako:20201024114846p:plain

そして民主主義は人権の前提です。

国連世界人権宣言に30の人権が定義され70年間各国がそれらを憲法や法令に採用していますが、それのパーツが民主主義です。

集団的合意形成の場で人権を無視したり否定することは極めて難しいです。

あなたがいかに賢く、周りが皆愚かに見えようとも、人権を否定する社会は持続しません。

どのような政治信条をあなたが選ぼうが、人権とのすり合わせは必ず発生します。

「民主主義が人権の前提なのはわかった。でも民主主義はもうだめじゃないか!」とあなたは言うかもしれません

f:id:niwatako:20201024115125p:plain

しかし、2020年の社会において人権を無碍に扱うことは不可能です。

これは、経済成長や国家の反映のような「成長」と、「人権」を同時に達成しなければならないという課題なのです。

しかしそれはとても難しい。

ここで政治制度の評価指標を定義しました。

f:id:niwatako:20201024115319p:plain

「パレート効率性」「代表性」「熟議性」「反論可能性」「変形性」です。

「パレート効率性」は系の経済的な生産性の指標です。

「代表性」は人々の意見と代表者の意見の対応の度合いです。

我々のこういう社会にしてほしいという思いを政治家が一切聞いてくれないなら、この指標は低いです。

「熟議性」は意思決定の前に議論が尽くされうるかを示す指標です。

日々の生活が忙しすぎて投票時に候補や政策のことをよく知らないまま投票したことがお有りなら、この指標は低いです。

「反論可能性」は行政の情報へのアクセシビリティの高さや、行政が不完全な際に改善提案をすぐに簡単にできるか否かの度合いを示します。

「変形性」。もしその政治制度が一切システムに依存していないなら、システムの改善の手間は極めて大きいでしょう。もし行政のみならず議会や投票までもシステムになっているならば、システムそのものを改善する提案も具体的に行いやすいでしょう。

代表選択アルゴリズムを列挙します。

f:id:niwatako:20201024115814p:plain

頭文字はすべてEで、「削除」「選挙」「試験」「みんなで」からなります。

さて、政治制度の評価指標と代表選択アルゴリズムを統合して、各種政治制度を評価します。

f:id:niwatako:20201024115915p:plain

まず「代表の削除」。これは直接民主制です。「パレート効率性」はあまり良くないですね。なぜなら直接民主制はとても忙しい政治制度だからです。大量の政策があなたの古臭い端末に押し寄せて、あなたに子供がいて日中の仕事があろうとも、あなたは意思決定をせねばなりません。それを全員が同じようにやるわけです。直接民主制は政治家がいないので「代表性」は良さそうに見えます。しかし、「熟議性」が悪い。忙しいからですね。直接民主制は、一見「反論可能」に見えます。あなたは「公共」に異議申し立てをできます。でもあなたは忙しいです。無数の政策が他にもあり、誰も読みません。ので、反論可能性はちょっと怪しいです。変形性は低いです。システム化されていないので。

次です。「選挙による代表」。

f:id:niwatako:20201024120306p:plain

これは議会制間接民主主義、我々が今使っている民主主義です。

あなたに関係のある規制や法令は満足ですか?そういうことです。「代表性」は見るからに無いですね。「熟議性」、政治家自身が良い議論をしているところを見たことがありません。早計で不完全な法案が多いです。反論可能性も低いです。4年に1度しか変えられません。「変形性」、だれか議会や民主主義そのものを改善しようとしている人が他にいますか?論外です。議会制間接民主主義というのは、全然だめなんですが、我々は技術的にも倫理的にもこれしか選べないというのが実情です。

「試験、優秀さ、経済性による代表」

f:id:niwatako:20201024120655p:plain

つまり官僚主義、技術官僚主義、功利主義ですね。パレート効率性は完璧ですが、代表性は無いです。なぜなら彼らは天才で、田舎の生活者の気持ちが理解し難いからです。腐敗した場合は、我々の声を拒否することもあるでしょう。「熟議性」、彼らは天才なので、クローズドな場で素晴らしい議論をするでしょう。

「みんなが代表」

f:id:niwatako:20201024120843p:plain

これが熟議民主主義です。ほぼすべての指標が高評価です。この制度設計は国民から30人ばかりを抽選して一つの政策を担当させます。たくさんの政策があります。普通我々の国家は200議案ほどを年間で審議します。私の計算によると熟議民主主義は2000法案あまりを処理できるでしょう。私はこのシステムをブロックチェーンのスケーリングソリューションをなぞらえて設計しました。

偏見を超えねばなりません。直接民主主義と熟議民主主義は別物です。

f:id:niwatako:20201024121034p:plain

熟議民主主義は直接民主主義の欠点を改良したものであり、議会制民主主義の欠点を解決したものでもあります。我々は民主主義をプロトコルのように改善していけるのです。

f:id:niwatako:20201024121156p:plain

そしてそれが私がブロックチェーンを応用した理由です。

f:id:niwatako:20201024121259p:plain

ブロックチェーンは無政府資本主義ではないです。

スマートコントラクトは「法学的な革命」です。

f:id:niwatako:20201024121336p:plain

契約書、我々が皮肉を込めて呼ぶ「普通の(damn)契約書」、それらはアリスとボブの2者の署名を持つのが普通でしょう。

しかしUniswapやCompoundのようなスマートコントラクトはボブの署名欄しかありません。

アリスが署名しておしまいです。世界と契約しているのです。

法学の世界に今までこんな事ありましたか?

この法学的にに新規な性質を国に用いると何が起きるでしょうか?

f:id:niwatako:20201024121611p:plain

DAOにある領域において人権を遵守する概念を持ち込むとDAO for Nations(DAO4N)になります。すべての指標が良好です。

やっと「良い民主主義」の定義が得られました。更に深堀りしましょう。

f:id:niwatako:20201024121728p:plain

まず、「それってどうやったら作れるの?」という疑問に答えていきましょう。

私が定義した設計原則がこちらです。

f:id:niwatako:20201024121816p:plain

「一人一票」。これはとても重要な民主主義の基本です。Radical DemocracyのVitalik ButerinやGren Weyは一人一票ではない政治制度を主張していますが、微妙なところですが、私は一人一票が好みです。なぜなら、大多数の人は一人一票を自然と思うであろうからです。

2番目の目標は「誰でも提案できること」です。今我々の生きるこの世界の殆どの国では、政治家が立法提案をします。でもDAOのアプリがあれば技術的には誰でも立法提案を物理的には可能になります。permissionless(特定の主体の許可がいらない)というブロックチェーンの性質を引き継ぎたいのでですね。

三番目は「衆愚耐性」。誰でも提案できるのは素晴らしいことですが、当然問題も生みます。だめな提案をどうするのか。私の提案では、提案者は供託をせねばなりません。ファシリテーターがランダムに待機リストから採用され、ファシリテーターが政策のジャンルを決定し、ジャンルに対応した専門家らがランダムに採用されなくてはなりません。

4つ目、「町税と規制の最小化、しかし幸福な生活を保証しながら」。ロバート・ノージックの最小国家論のように聞こえるかもしれません。小さい国家や減税は重要でしょう。しかし、政府の介入や福祉は必要です。我々はそのバランスを見極めねばなりません。

5番目の目標と関連します。「DeFiネイティブな政治制度であること」。我々の国庫の余剰分をDeFiのcTokenなどで年利2-3%でYield(運用)することができるなら、それは政治家(熟議民主主義では提案者であり市民)に非常に強力な圧力を発生させます。なぜなら政策は年利2%以上の見返りと比較されることになるからです。したがって、税金の無駄遣いは排除されやすくなります(もちろん福祉政策は収益度外視ですが)。これは本質的には、無為だな徴税を防止します。なぜなら、利殖するお金が余っているなら、その分の税金を集める必要がないという提案が出てしかるべきだからです。下が手、DeFiのイールドファーミングの性質が民主主義のゲーム理論的均衡をずらしたのです。行政は肥大化するものであるという人間の性は、実はゲーム理論的な減少で、それは改善可能だったのです。

6番目の要素「家から働くことを支援する」。COVID-19でこの性質の重要性が高く評価されはじめました。人と対面できず、外に出られない状況でも、我々は政治をしなければいけません。なぜなら最適なリソース分配は日々変わるからです。すべての法廷なども含む行政機関はこの性質を持っていなければなりません。

7つ目「行政レベルのシステムの自由な受け入れ」。エストニアはX-Roadという行政間連携システムを持ち、マイクロソフトも行政DX業界に進出しています。DAO4Nはどのようなシステムとも組み合わせ可能でなくてはなりません。どのような行政システムでも受け入れられる疎結合性が必要です。この直感は非常に重要です。DAO4Nのコアプロトコルは抽象的でどのような政治制度も表現可能です。DAO4Nのシェルプロトコルは、行政、クラウドサービス、人々、あるいはハーバーガー税のスマートコントラクトのような任意のシステムで実現可能です。私個人はシェルプロトコルを完成させることに関心はありません。それは皆さんの仕事です。競争原理が優秀な提案者と優秀な政策を自ずと取り込んでいくことになるでしょう。

8つ目「中央集権の排除」。当然です。国は本質的にDAOです。中心を残すのはエレガントではない。内外の敵性メンバーによる攻撃や駆け引きの標的になる単一障害点をあえて残すのは合理的ではありません。

9つ目「結果修復性」。行政は腐敗するものです。2番めの性質「誰でも提案できる」を用いて、誰でもどの行政でも罷免する提案ができるべきです。もちろん罷免熟議も熟議なので、前述のようにファシリテーターや専門家が参加します。もちろん、市民だけが投票権を持ち、ファシリテーターや専門家は助言しかできません。緊急事態に期間限定で議決権を移譲することは可能であるべきですが、我々は最終的に権利を取り戻せるようにしておかねばなりません。その議決権を移譲されたものが我々の民主主義を脆弱にしようと試みないとは限りません。なので、平時は市民のみが議決権を持つべきです。裁判官、ファシリテーター、専門家などの特別な役職も、数年に一度は市民に審査を受けて再任されねばならないでしょう。

十番目、「回復方法は論理から導かれなければならない」。私は準形式的な民主主義の論理を記述しました。民意が安全であるとはどういうことか、民意が回復力があるとはどういうことか、それを特別な力を持つ行政らと市民の関係性として記述しました。もし任意の行政や巨大法人が腐敗し監視社会を形作ろうとしたそのとき、我々は演繹できるのです。「この場合、この監視を補助している行政を罷免して新しい規制を用意すれば、この会社を止められる」と。政治の議論は自然言語に頼りすぎです。形式論理と数学を用いるべきです。すべてが形式的でプロトコルとして実装できるなら、みなそれをフォークして同じ言葉で議論できるはずです。これがDAO4Nの最も重要な性質の一つです。

最後11番目。貧弱なインターネット回線でも動くこと。アフリカやポリネシアの小国のような環境でも、この民主主義は平等に使用できるべきです。

私の発表の前半が終わりました。「なぜ民主主義なのか」、「良い民主主義とはどんなものか」、「良い民主主義のシステム要件」について話してきました。後半は後のセッションになりますが、後半では「DAO4Nの仕様」「DAO4Nの粗探し」「DAO4Nによる社会学的な影響について」お話します。


「DAO for Nations」の仕様の説明から始めます。そして話題を社会経済学的な影響まで拡大していきます。

どのようにDAO4Nが動作するのかを説明します。

f:id:niwatako:20201024125106p:plain

6つのフローがあります。

初期化というのは「国家の初期化」を意味します。国家をon-chainで発行します。国債発行に金融ライセンスは不要なので。次に警察を用意します。格安の携帯電話を国で用意して希望する人に配布します。そして国民をon-chainに登録します。

次に最小限の法律が必要です。ここまでの手続きはなるべく一瞬でできるようにプログラムすべきでしょう。会社法や人権の保護などが必要です。経済が発展する土壌が必要です。経済が回っていなければ徴税もありませんし、継続的な国家運営もできません。

三番目のフローは定常的に行われる手続きです。プロポーザルの供託金は500ドルぐらいでいいでしょう。そしてスマートコントラクトにランダムに選ばれた30人の審査員がフィルタリングを施します。この提案は今勝ちがあるかどうか、というのを彼らが決めます。却下されると提案者は供託を失います。次にファシリテーターがランダムに待機リストから採用されます。ファシリテーターは100名ぐらい待機しています。次にファシリテーターが政策のジャンルを決定します。3Dプリンターで印刷された家を許可、規制する提案なら、ファシリテーターは建築や景観などのジャンルを設定するでしょう。ファシリテーターがジャンルを決定したなら、専門家がランダムに採択されます。彼らもジャンルごとに数十名待機しています。彼らのリスト入りは別の熟議で決定されてます。その熟議にもファシリテーターや専門家はいて、議決権は市民のみが持っています。

4つ目のフローは熟議そのものです。熟議はModReq(修正提案)と投票からなります。これは重要なので、詳細はおって解説します。

5つ目は執行です。熟議が終わり投票で可決されると、提案に記述された行政が生成され、その行政が引き出し可能な予算が毎月unlockされます。一度に支払ってしまっては裏切りのリスクがありますからね。その行政が規制を行う根拠となる法令もブロックチェーンに記録されます。

6つ目、これは補助的ですが、リアルタイム分析機能です。法令と財政を誰でも簡単に参照できます。Google Analyticsを国に対して仕えると考えてください。

熟議にフォーカスしましょう。重要なので。

f:id:niwatako:20201024130731p:plain

これはleg langです。簡単にプロトタイプを実装しました。

f:id:niwatako:20201024130753p:plain

この言語は problem の欄さえ埋めれば使用できます。ある社会問題について解決策は思いつかないけど問題だと思うなら、誰でも提案ができます。その問題がどれだけ時流に合っているか、深刻かに応じて、30人の審査員がフィルタリングすることになります。

もちろん solutions (解決策)までしっかり書いてもいいです。そして熟議参加者らはModReqを追加し始めます。ModReqはModification Requestです。複数の解決策を提案に追加して、その提案修正の許可も投票で決めます。

次に、command セクションです。ここだけプログラミング言語のようになっていて、新しい行政の生成や予算の決定をします。2000DAIを生成した行政に設定するような記述がされています。

laws欄は自然言語です。可決されたsolutionをつなぎ合わせてlaw viewerで人間が読める形にします。

これらの機能は全てスマホで誰でも操作できなくてはなりません。

f:id:niwatako:20201024131529p:plain

お年寄りや障害のある方はアクセシビリティに難があるでしょうから、街ごとに公的なサポーターを雇用してもいいでしょう。これはコアプロトコルの仕様ではなくシェルプロトコルの仕様なので、必須ではないです。

熟議を使えばどんな行政サービスでも作れてしまいますが、それらはDAO4Nのコアプロトコルの仕様とは分離して、仕様の肥大化を防ぎましょう。

修正提案について

f:id:niwatako:20201024135644p:plain

これはgithubのようなものです。法律のための3-way-merge法です。

加えて、投票によって、mergeの可否も決めます。

投票について、投票は匿名投票として実装されます。なぜなら脅迫耐性が必要だからです。

f:id:niwatako:20201024135811p:plain

Tornado Cashのような回路を設計しました。Tornado Cashは匿名送金プロトコルですが、これを少しいじると匿名投票プロトコルになります。

Barry Whitehatという技術者がSemaphoreという匿名投票プロトコルを過去に発表しましたが、それと似たようなものです。

利点について、まず脅迫がないです。投票行為への脅迫はそもそも有罪ですが、衆人環視ではない環境における投票では特に注意が必要です。特に、ある政策に携わる審議員がブロックチェーンで見えてしまっては問題ですし、議論の内容すらも個人と紐付いてはいけないでしょう。

プライバシーリテラシーの教育も重要な要素で、教育行政の改善は各自シェルレベルで努力すべきでしょう。

2つ目の利点は「メンバーが限定された小さな議会」において匿名投票アルゴリズムが相性がいいということです。匿名投票アルゴリズムは基本的に高価ですが、このプロトコルは1熟議30名で年間2000熟議を目標としているので、年間6万名の投票がさばければよいです。

これはブロックチェーンのLayer-1でも実現可能ですし、Ethereum2.0などのスケーリングソリューションが仮に使用できないとしても問題ないです。

3つ目、「65000名以上の人工がいれば匿名性が十分担保されること」。Anonymity Setというのは匿名化プロトコルで重要になるダミーの量です。このプロトコルには3種類の敵対モデルがあり、ひとつはStrong Adversary、資金力があり、ブロックチェーンを巻き戻して罷免提案をキャンセルしてきます。Medium Adversaryはヤクザみたいなもので、あなたがどこにいようが組織力で発見して追いかけてきます。Weak Adversaryはあなたの情報を持ちません。しかしあなたが重要な立場で居場所がわかりさえすれば、脅迫する同期はあります。

このような敵対モデルを想定すると、自らを匿名に保つことの重要性が理解できます。なぜ65000名の人工がいれば十分なのかは後に説明します。

欠点について、リファレンダム(国民投票)のような大規模投票に向きません。

インドのように10億人以上いると明らかに無理です。

24000名以下の人工だとAnonymity Set補充が年に一度必要になり、その催しがやや負担に感じられるでしょう。65000名以上の人工であれば4年に1度で良くなります。

経済的な利点について

f:id:niwatako:20201024140942p:plain

私は日本人なんですが、日本でDAO4Nを利用すると年間6000億円の節約になります。議会運営に年1000億円、選挙費用に600億円、そのような冗長性がカットできます。

より多くの熟議をこなせるようになると、いい規制といい税制を残して、だめな規制や税制をすべて除去できます。つまり最小国家と福祉国家のいいとこ取りができます。もし福祉行政に目が届いていないとあなたが感じるなら、そのスマートフォンで提案して、あなたやあなたの信頼する人に社会を変えてもらう活動を託せます。リバタリアンもコミュニタリアンも彼らの目的を達成できます。

3つ目の経済的な利点は、技術進歩が社会に与える影響に楽観的でいられることです。資本主義は最終的に監視的な社会を作ります。オーストラリアや中国は熾烈な状況です。DAO4Nにおいて監視行政が民主主義に与える影響は理論的に自明ですし、そのためにどの行政を罷免すれば解決するかが論理式から導けるため、公共が技術を用いることにブレーキをかける必要がありません。

4つ目、ツイッター上での政治的な議論が無駄になりません。自らの手で政治を変えられない閉塞感の中で行う政治的な議論は悲しいものですが、DAO4Nであれば全て有益な事前熟議です。

経済的な欠点について

システムいかんが不確実です。カタルーニャの独立を例にあげます。これらのシステムを市民に説明して、新しい自治領に納税するように説明せねばなりません。しかし、時間が解決するでしょう、監視資本主義はとどまるところを知りません。DAO4Nと同じようなシステムでなくては自治体は収拾されないと気づく人は次第に増えていくでしょう。

2つ目の欠点は、セキュリティモデルについて皆が学んでおくことが望ましい点です。DAO4Nの論理式は一部だけブロックチェーンの知識を前提にかかれています。したがって、ブロックチェーンが巻き戻るとはどういうことかなどの教育が必要です。

3つ目の欠点はプライバシーリテラシーです。DAO4Nのユーザーは可能ならVPN等を使用することが望ましいです。それもシェルプロトコルのレイヤで解決可能ですが、導入時には説明が必要でしょう。

4つ目は、電話の配布コストです。DAO4Nは(補助があったとしても)全員がスマートフォンを利用できることを前提としています。

したがって、スマートフォンの保有は国が保証します。20ドルぐらいでアンドロイド端末は購入できるのでそこまで財政を圧迫はしないでしょう。

まとめです

f:id:niwatako:20201024142040p:plain

2000熟議のスループットが腐敗や実情に則さない規制を浄化します。

そしてこのシステムは安いです。オープンソースで誰でも使えます。

正直者が馬鹿を見ないということです。

「DAO4Nが社会に与える影響」にいってみましょう

f:id:niwatako:20201024142212p:plain

社会経済学的な影響について見ていきましょう。

「最高の技術による賢い財政」により、マイクロプラスティック問題など様々な問題が解決されていくでしょう。

疫病に対する最適な行政対応も提案できるでしょう。最高の技術とともに。

離島の高齢者のために遠隔医療を用意することも、業界の反発など上手にケアしながら進めていけるでしょう。

でもちょっとまって

大規模監視と市民スコアリングがすぐそこまで来ています。

遺伝子編集に寄って「より優れた子供」を作ることの競争が始まったら?

トランスヒューマニズムとシンギュラリティ、基本的人権を尊重する今の政治制度だと、言言と機会の間の存在に人権を認めるか否かなどの哲学的な問題への対応は後手に回るでしょう。

さて、どうしましょう。

国家に可能な動きを制限しましょう。

Don't be evilはGoogleの有名なスローガンですが、Can't be evilを国家に適用するのがクリプト流です。

あなたが社会を成約し、あなたが社会に提案するのです。

DAO4Nは賛成することの一人あたりの負担を減らすので、高齢化や人口減少と極めて相性がいいです。

日本は高齢化のトップランナーですが、正しく行政を提案していけばシルバーデモクラシーの弊害を緩和して若者と高齢者が協力して暮らしていけるでしょう。

日本だけでなく、世界的に高齢化は進んでいるので、ちゃんと備えておきましょう。

我々が我々の人生を生きるのに忙しくても、我々は政治に参加できる余裕を得ます。ブロックチェーンが政治を加速させ、我々はその手綱を握ります。それはすべての人々が操作可能なものでなくてはなりません。分断であってはなりません。人々を結束させるために技術は使われなくてはなりません。民主主義はしばしば分断を生み出してきましたが、このシステムには政党という概念がなく、政策しか無いので、不要な分断が生まれる余地は極めて少ないのです。

技術で世の中をよくできるということをもう一度期待してみましょう。

我々はこういう時「ソフトウェアが世界を侵食している」と言いがちですが、ソフトウェアが手に負えない怖いものだというイメージをやめましょう。我々が政治を掌握したのです。

これが #DAO4N です。

最後に、これはオープンソースプロジェクトで、コントリビューターを常に募集しています。

f:id:niwatako:20201024143223p:plain

まずナラティブ戦略家。ミームは大事です。私は日本人で英語が話せますが、これは別の特別な才能が必要なことだと理解しています。あなたの協力が必要です。

地域政治研究科。私は日本の政治はある程度理解していますが、各国の政治制度と比較検討する必要があります。あなたの国の政治状況についてぜひ教えて下さい。

応用暗号学者。前述したようにzk-SNARKsやzk-STARKsが必要です。助けてください。

通貨政策に強い人。どのように専門家の力を借りつつ民主的に通過を発行すべきか、そして普遍のプロトコルとして実装しておかねばならないことはないか、そのような知見が必要です。

“Svelte” ロックスター。インターネット接続が悪い地域でも最高の体験を届けるため、あなたの協力が必要です。第三次世界大戦が起こってもなお最善の体験を届けられるべきです。

法律言語のわかる方。leglangのような法律を操作することを目的とした言語は事例が少ないです。あなたの協力が必要です。

f:id:niwatako:20201024143823p:plain

このプロジェクトは学際的な地獄です。全ては知っておかなければなりません。しかし、確実にあなたはこの世界を良い場所にすることができます。

ハッシュタグは #DAO4N です。問い合わせはTwitterで @_sgtn まで。英語でつぶやいています。

私のCryptoeconomicsとCryptolawを接続する試みはこのようなプロトコルを生むに至りました。

次なる研究領域は通貨、債務、軍事力、そしてDeFiそれぞれの関連です。ありがとうございました。